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いよいよのニューアルバム『THANK YOU SO MUCH』リリースを3月に控え、この1月には石川県を皮切りに最新ライブツアーをスタートさせたサザンオールスターズ。元日にリリースされオフィシャルビジュアライザーも公開された新曲“桜、ひらり”は、その映像の通り春の訪れを待つ石川（ライブ会場の石川県産業展示館4号館も映る）から新たな物語を紡ぎ始めた。曲調としては穏やかでハートウォーミングな70年代ウェストコーストポップ風だが、《突然／あれからしばらくは／生まれたこの場所が／嫌いになったよ》《恵み給う／海が溢れた》と歌われる歌詞では、災害に見舞われ傷ついた故郷と、失われた生命に思いを馳せている。あたかも英語詞のような響きの桑田節で歌われる《柳暗花明》のフレーズの通り、自然は豊かな恵みも厳しい苦痛ももたらすが、“桜、ひらり”はそんな季節と記憶の移ろいを目一杯謳歌しようと呼びかける決意の1曲になった。デビュー47年目へと向かうサザンは、どこまでも率直でしなやかだ。（小池宏和）（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より）
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