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『親愛なるあなたへ』と掲げているからにはウソはつけない――そんな意思が見えてくる、いつにも増して生々しい全11曲。ファンとの絆を温かく歌いあげる“親愛なるあなたへ”から一転、“ジャンクワーカー”“修羅場”で、仕事や家庭で彼らの同世代が直面しているかもしれない?エグい現場を描写。さらに、学生時代の辛い記憶は年齢を重ねても残り続けると噛みしめてしまう“透明人間”が続く。中盤には、ダンサブルな“Mayday”、ソウルフルな“光とシナジー”、スカを取り入れた“SUN GOES DOWN”、ピアノが渋い“月夜のブルース”と、音楽的に彩り豊かな彼らの今を表現。そしてラストは愚直なバンドサウンドにのせて《悲しみなら俺がもらっておくから/光の中で幸せになれ》と頼もしく歌う“明日世界が終わるとしても”という、完璧な流れになっている。光からも闇からも目を逸らさない純粋さの一方で、音楽家としては成熟を遂げてきた彼らだけが生み出せる、オンリーワンにして等身大の世界観がここにある。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より)
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