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夜の街をオープンカーでドライブするような開放感と、しなやかな強さを感じられる凛とした佇まい。紆余曲折を経た彼女が今感じているナチュラルな身軽さと、彼女の原点とも言えるサウンドデザインを同時に体感できる。ヒップホップやR&Bなどに造詣が深いVシンガーの4thデジタルシングル。彼女が敬愛するVOCALOIDクリエイター・ポリスピカデリーが作詞作曲を手掛けた同曲は、変則的なビートならではの高揚感とチルなムードを併せ持つ、00年代風のダンスナンバーに仕上がっている。歌詞に描かれるのは「明日」への思い。「そのときの気分や直感で選択をするくらい、肩の力を抜いてみるのも悪くない」と呼びかけるメッセージは、単語や言い回しにはほのかに陰や痛みを感じさせるものの、全体の仕上がりは爽やかだ。伸びやかかつキーのレンジが広いメロディも、彼女のハスキーな低音やリズムセンスだけでなく、様々な表情を引き出している。アーティストとしてさらなる飛躍を予感させる楽曲だ。(沖さやこ)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年10月号より抜粋)
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