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    US最高峰のメロディメイカー:パンダ・ベアから5年ぶりのソロ新作が到着! アニコレ総動員で完成させた傑作の凄みとは?

    US最高峰のメロディメイカー:パンダ・ベアから5年ぶりのソロ新作が到着! アニコレ総動員で完成させた傑作の凄みとは?

    現在発売中のロッキング・オン3月号では、パンダ・ベアの新作ロングレビューを掲載しています。
    以下、本記事の冒頭部分より。



    文=大鷹俊一

    アニマル・コレクティヴ、アニコレがとんでもないことになってる、というのはここ数年の『Time Skiffs』、『Isn't It Now?』の快進撃でしっかりと理解しているつもりだったが、それにとどめを刺してくれることになったのが2月28日世界同時発売される、メンバー:パンダ・ベア(ノア・レノックス)のソロ新作『Sinister Grift』で、その集大成感+グループモードが無限拡大していく音の心地よさといったらない。

     脳内に広大に拡がるカラフルな妄想、夢や願望、絶望が勝手に自走しながら迫ってくる瞬間は、汗びっしょりになって夢から覚めるかのようでありながら、すぐにまたその渦に浸りたくなって音に身を委ねる。そんな体験を初聴き以来、続けている。

    グループという枠組みにこだわらない、自由なフォーマットでそれぞれがやりたいことを、というのが20年以上の歴史となるアニコレの原点であり、それは今も変わってはいない(はず)。もともとミュージシャン志望やバンド仲間が作ったグループではなく、ボルチモアで育った幼馴染たちが成長しボストンやニューヨークに進学しつつ音楽というキーワードで再びつながり自作音源をまとめる形でインディからスタートしたのが始まりで、00年代半ば以降の『Feels』、『Strawberry Jam』、『Merriweather Post Pavilion』といった名盤で決定的な評価と人気を得たものの、決して働き者ではなかった(失礼)。いわゆる商業的な成功や、各所でのスケールアップを目的化するのではなく、もっともっと私的自由度の高さを常に優先させてきたのだ。

    しかし! 22年の『Time Skiffs』、翌23年の『Isn't It Now?』という秀作の連続リリース、さらに気鋭のインディ系映像会社A24製作で、各地の映画祭で絶賛された映画『インスペクション ここで生きる』のサントラを手掛けたり、小規模ながら全米ツアーをやったかと思うと今年に入ってすぐメンバーのジオロジストはギタリストのダグ・ショウとエクスペリメンタルなアルバム『A Shaw Deal』を発表するなど、明らかにこれまでと違ったモードに突入していたが、そこに登場したのがグループのドラマー&ボーカリストであるパンダ・ベアことノア・レノックスの5年ぶりとなる新作ソロだった。22年にはソニック・ブームとのコラボ作『Reset』が注目を集め、さらに翌年にはエイドリアン・シャーウッドがアルバムをまるごとダブ化させた『Reset In Dub』が喝采を浴びるなどしていた男が次に用意したのは、完璧な本拠地でのゴールであった。(以下、本誌記事へ続く)



    パンダ・ベアの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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