もちろんこれは彼らがコマーシャルな方向に転換したということではなく、バンドの対照的な二面性を2枚のアルバムを使って提示したということ。ライヴバンドとしてのソイルをリプレゼントした前作に対して、多様な側面を持ったリスニングバンドとしての顔を強調したとも言えるだろう。
ペトロールズの長岡亮介やタヒチ80のグザヴィエ・ボワイエなど個性的なゲストヴォーカルをフィーチャーするが、あくまでもソイルの音楽性の中で展開していて、軒を貸して母屋を取られるようなことにはなっていない。むしろソイルの音楽がより変幻自在な広がりと奥行きをもって迫ってくる佳作。(小野島大)