70年代にディスコ・ブームを生み出したプロデューサーのジョルジオ・モロダーは、DJはエンタテイメントの新しいスーパースターだと語っている。
ダフト・パンクの『ランダム・アクセス・メモリーズ』に参加して以来、大きく再評価されたジョルジオは自身にとって初めてとなるDJセットをこなしただけでなく、28年ぶりとなるソロ新作に着手しているといい、さらに来年はラスヴェガスで定期公演を予定しているという。『デイズド・アンド・コンフューズド』誌の取材に応えたジョルジオは今年のダンス・ミュージックについて次のように振り返っている。
「デヴィッド・ゲッタとか、アヴィーチー、あるいはスウェディッシュ・ハウス・マフィアといった連中が楽器演奏とヴォーカルを組み合わせたことをやってるのがすごく気に入ってるんだ。たとえば、ケリー・ローランドにディスコ・トラックとしてR&Bを歌わせるというのは、ほとんどドナ・サマーに戻るようなアプローチで、あそこでも僕たちはダンス・ミュージックという背景を作ってR&Bヴォーカルを打ち出していったわけだからね。DJこそが今のエンタテイメントのビッグで新しいスターなんだとぼくは思うよ」
その一方でダスト・パンクの仕事ぶりについては次のように語っている。
「『ランダム・アクセス・メモリーズ』のプロモーションなどは画期的だったからね。ソニーで打ち合わせをしていると、ダフトの二人とマネージャーがやってきて、プロモーションの1から10まで打ち出してきたんだよ。情報は必ず小出しにしなければならないとか、どんな形でもいいからテレビで15秒の短いスポットでなんかしら発信していくとかね。素晴らしいものだったよ。つまり、いいアルバムを形にしたのだったら、プロモーションは作品の役にいくらでも立つものだし、おかげで画期的なアルバムとなったからね。やっぱりEDMにもそういう感じがあるんだよ。本物のベースと本物ギターと本物のドラムでやっていたディスコの頃に戻ろうっていうね」
なお、ジョルジオは現在、レコード契約を探っているというが、契約にありつき次第、ナイル・ロジャーズとすぐにでもなにかやってみたいとしていて、リアーナとなにかやれたら素晴らしいのではないかとも語っている。ただ、「自分のようなタイプの音楽だと、あまり名の知られていない若手の方がやりやすいんじゃないのかな」とも語っている。
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