【JAPAN最新号】実験精神と不思議な懐かしさが共存する、Meg Bonusの音世界。それはまるで、あの日おねしょで描いた世界地図のよう

【JAPAN最新号】実験精神と不思議な懐かしさが共存する、Meg Bonusの音世界。それはまるで、あの日おねしょで描いた世界地図のよう
Meg Bonusは、2005年生まれのシンガーソングライター/プロデューサーである野本慶のソロプロジェクトだ。2024年に初のEP『18PERSONAL』を発表してにわかに注目を集め、10代の終わりを迎えた2025年春にはアルバム『New,man』、同年11月に2作目のEP『LOSS』と、ハイペースに作品をリリースしている。一貫しているのは、まず驚異的なまでの音楽エレメントの多彩さ、そしてそれを巧みに編み上げるセンスの鋭さである。幻想的で美しいシンセサイザーのレイヤー。時にクラシカルに、時にジャジーに鳴り響くピアノ。ビートトラックではヒップホップやベースミュージック、グリッチサウンドなどを貪欲に参照し、実験的でありながらも不思議と人懐っこい魅力を備えた楽曲へとまとめ上げる。胸の奥で当て所なく漂っている後悔の念や静かな意志を拾い上げ、まるで子どもの頃から知っている唱歌のように心象を描き上げてしまう歌心も素晴らしい。


4月8日には、2作目となるアルバム『TO THE YOU(ME) I MET BEFORE』がリリースされる。EP『LOSS』以降は辣腕ミュージシャン陣の演奏をフィーチャーした楽曲が増えていたが、最新アルバムはエレクトロニックなサウンドとオーガニックなサウンドがより深く、雄弁に混ざり合う作風となった。つい先頃にはシングル曲“MERMAID”(アルバムの最終トラックとして収録)のMVが届けられたが、幼い頃のワクワクするような冒険心を思い出させるあの美しい映像がそうであるように、リスナーはこのアルバムを通して、自分自身の中に懐かしい友だちのようなMeg Bonusを見つけることになるだろう。静謐なピアノと情感を膨らませるストリングスアレンジに彩られた収録曲“LOVE”は、かつて野本慶が初めて作曲した楽曲なのだという。Meg Bonusの歌心は膨大な情報と時の流れの中で見失ってしまいそうな大切なものをしっかりと握りしめているように思える。いやむしろ、だからこそ彼は臆することなく新しい音の風景を探究し続けることができるのかもしれない。

文=小池宏和
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年5月号より抜粋)


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