【JAPAN最新号】紫 今、「ニューJ-POP」でシーンを掻き回す。バイラルヒットソング “魔性の女A”の到達点、その先の目論みを語り明かす
2024.07.30 12:00
紫 今には、紫 今が行くべき先や作るべき音楽が明確に見えている。それを、「センス」「天才」とか曖昧な言葉で片付けてはならない。世の中の空気を察知し、社会の違和感を無視せず、人間の心の動きに探究心と愛を持ち、知識や技術に基づいて細部にまでこだわり抜いた音楽を作り上げ、圧倒的な歌唱力でメロディと詞を羽ばたかせ、映像やファッションまで紫 今が何を表現すべきか把握したうえで、全方向から驚きと新しい喜びを提供する──ひと言で言えば、ポップアーティストとして必要なものほぼすべてを高い水準で備えている。それが紫 今だ。
とんでもない密度の作品 “魔性の女A” を確実に世に広めて、その直後に “Server Down” で全く違う一面を見せ、そこからさらに “ギンモクセイ” で自身がもっとも大切にする魂の歌で人々の痛みに寄り添う。目論み通りの流れで、私たちの心は振り回されている。紫 今が畳みかける幸福なポップスの投下から、この先も目と耳を逸らさないほうがいいと思う。
インタビュー=矢島由佳子 撮影=Genki Ito
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年9月号より抜粋)
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