現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』5月号にMy Hair is Badが登場!今までのMy Hair is Badの貴重さ、3人集まってバンドをやってたことは奇跡みたいなバランスだったことを思い知った
正真正銘の最重要アルバム『angels』を語る
インタビュー=古河晋 撮影=宮下祐介
My Hair is Badの音楽は、聴いているみんなにとっても、曲を書いている椎木知仁にとっても、音を奏でているバンドにとっても青春そのものだ。危ういくらい嘘も垣根も決まりごともない剥き出しの青春。メジャーデビューをしても、大きなハコでやるようになっても、その本質は変わらない。一方で、My Hair is Badが鳴らす青春はフィクションとかファンタジーじゃないから、ちゃんと年齢とか、経験とか、コロナのこととか、どこかで戦争が起きていることとか、本当にあった恋愛とか、生きて感じて味わったことすべてを刻んでいる。それも引っくるめて剥き出しのままの青春を続行できるか? My Hair is Badで鳴らしてきたことすべてをかけて、その答えを出したのがこの『angels』というアルバムだと僕は思う。《僕らはいま誓おう/いくつになっても心は自由であることを》と歌う“カモフラージュ”で始まり、《今が楽しければ 今は楽しければ/どちらも愛していた》と歌う“花びらの中に”で終わる。あまりに未熟だけど美しい「あの時」を肯定しながら、自分次第でちゃんと笑える「明日」へ。そんな新しい青春のスタート地点に連れていってくれるアルバムなのだ。それぞれのMy Hair is Badの音楽と生きた日々と照らし合わせながら、この『angels』を聴いてもらうための全アルバムレビューと共に、3人の現在進行形の青春フォトと椎木知仁の最新決定版インタビューをここにお届けする。(古河晋)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年5月号より抜粋)