現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』2月号「Look Up!」に大橋ちっぽけが登場!
ちっぽけな心を突き詰めた果てに広がる、広大で普遍的なポップの領域――
シンガーソングライター・大橋ちっぽけとは一体何者なのか?
文=天野史彬
歌とは本来的に不思議なものだ。誰にも知られることのなかったはずの心の声が、誰とも分かち合えることのなかったはずの胸の叫びが、歌になることで、それは他の誰かの魂と接続し得る。歌を聴くという行為は、時に「共感」という言葉では補いきれないほど深い「生」の触れ合いを聴き手に体感させるのだ。今、そんな本質的な歌の体験をもたらしてくれるシンガーソングライターがいる――その名も、大橋ちっぽけ。1998年生まれの23歳、日本産のネットカルチャーも海外のポップスも自然と咀嚼した独自の身体性とバランス感覚から生み出される彼の歌は、危ういほどの繊細さも、大胆なほどの力強さも、何をも包み隠すことなく彼の命の動きに忠実に響いている。2021年にリリースされたミニアルバム『you』の冒頭を飾る“常緑”がTikTokを起点に大きな反響を呼んでいる大橋。どこかの誰かの人生に触れる瞬間を待ちわび、祈るように、今まさに柔らかく発光する彼の歌の源泉と現在地について、考察する。(天野史彬)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年2月号より抜粋)
【JAPAN最新号】シンガーソングライター・大橋ちっぽけとは一体何者なのか?――ちっぽけな心を突き詰めた果てに広がる、広大で普遍的なポップの領域に迫る
2022.01.04 12:00