現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』2月号にUVERworldが登場!自分がどんどん好きなものをつくれば、彼らはもっともっと深く愛してくれる。
これ以外の余計なことを考えずこれをしっかりとやることができれば、
今まで興味なかった人もUVERworldを好きになるんじゃないかって希望も見えて(TAKUYA∞)
魂の化身
感情、メッセージ、愛、絆――そのものを鳴らした、最新・最高傑作アルバム『30』を全員で語る
インタビュー=山崎洋一郎 撮影=半沢克夫
「メッセージソング」ではなくメッセージそのもの、1曲目の“EN”。
もうこれ以上売れなくてもいいとクソ正直に今の心境を自己申告する、2曲目“One stroke for freedom”。
中国古来の伝説を引用したラブソング、3曲目“えくぼ”。
ひたすらメンバーに愛情を告白する、4曲目“OUR ALWAYS”。
こうやって書いてるだけでも、普通じゃないアルバムだと実感する。
初めて俳優(山田孝之)をフィーチャリングして約20年前の直球ロック曲を演り倒す、8曲目“来鳥江 (feat.山田孝之 & 愛笑む)”。
今どきの小学生でも語彙力もう少しマシなんじゃないかぐらいに頭空っぽな、7曲目“SOUL (feat.青山テルマ & 愛笑む)”。
TAKUYA∞の盟友・YAFUMIと解散したLAID BACK OCEANに向けて思いをそのまんまの言葉でぶつけた、10曲目“イーティー”。
書いていくとキリがない。つまり、どの曲も「これです」と言える明快な意味と意図とメッセージがあって、それ以外のものが一切ないのである。曖昧さが一切ないのである。「音楽にとって曖昧さはとても重要」というのはアーティストの定番のセリフだけれども、ここには、このアルバムには、それが一切ない。すべてが直接的。UVERworldのニューアルバム『30』はそういう作品である。こんなJ-ROCKはこれまでなかった。
リスナーに向けてつくられた音楽、ではなくて、家族や恋人や親友に向けて直接話す言葉、書かれた手紙、のようなもの――それがこのアルバムである。そんなもの、普通ならポップミュージックとして成立しないのに、奇跡的に成立している。しかも超パワフルでハイクオリティな、UVERworldの極上のロック/ポップとして見事に成立しているのだ。
どこまでもピュアに自分の感情と向き合い、どこまでも精度高く音や言葉を扱ったからこそ生まれた傑作だと思う。
メンバー全員インタビューで、じっくりとその本質について語ってもらった。(山崎洋一郎)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年2月号より抜粋)