現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』2月号に[Alexandros]が登場!ロックバンドって喧嘩とかしながら、でもひとつのものに向かっていく美しさに憧れがあったし、結局、俺は今でもそれをいいと思ってるんです(川上)
2021年、4人で見てきた景色、新たなマスターピース“閃光”、そして次なる季節へ――
1年を締めくくるロングインタビュー!
インタビュー=小栁大輔 撮影=Maciej Kucia
まず上の発言を読んでほしい。デビューから11年となる現在地において、あらためてこういうことを堂々と臆面もなく言ってくれるやつだから、僕は川上洋平が、そして[Alexandros]が好きなのである。好きだし、思い切り信用してしまうのである。彼らに裏切られたことなど過去に一度もないし、これからもないと思うけども、それでも仮にこっぴどくボロ雑巾のように振られてしまったとしても、それはそれでいいじゃないか、これまでこんなに巨大な夢を見させてくれたんだから、と自分は納得してしまうだろうな、うん、とひとり静かに頷いてしまうくらいに、圧倒的かつ全面的に支持してしまうのである。2021年の[Alexandros]はリアド偉武という最強の翼を背に、最高の季節を今再び貪るように、長いライブハウスツアーをやり、アリーナツアーを完璧な形でやりきってみせた。僕は今年も5回ほど[Alexandros]のライブを観たが、その到達点は観るたびに格段に上がっていく、そんな確かな実感があった。今の[Alexandros]こそが最強だ。本当に何度もそう思った。
ただ、同時に思うのは、[Alexandros]が己を追い込み、高みを目指し、その結果として、ロックバンドとしてのピュアさ、のようなものを突き詰め続けてきたその道程の尊さについてである。日々生まれ変わり、何度も蘇生し、そのたびにその血を濃く赤く染め上げていくためには、そんな生き方を11年にわたって続けていくためには、その純粋さと同じだけの、というか、もしかしたらそれ以上の、徹底的に醒めたクレバーさがなくてはならないのだと思う。――という今の[Alexandros]のすごさをあらためて真正面から教えられた気がしたのが、このインタビューである。ロックバンドかくあるべき、ときっとみなさんにも思ってもらえると思う。
とまあ堅苦しく書いてしまったが、読み始めてもらえれば、和気あいあいとした、しかし本質的な発言が連発されるいつもの[Alexandros]インタビューである。2021年も迷わず突き進んだ彼らの後ろ姿を思い出しながら楽しく読んでもらえたら嬉しい。(小栁大輔)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2022年2月号より抜粋)