【インタビュー】Age Factory、ニューシングル&リミックスアルバムを同時リリース! 今、彼らが見据える「バンドの本体」

【インタビュー】Age Factory、ニューシングル&リミックスアルバムを同時リリース! 今、彼らが見据える「バンドの本体」
昨年11月、「“Sono nanika in my daze” Release Tour」ファイナルのZepp DiverCityをもってアルバム『Sono nanika in my daze』のタームを終えたAge Factory。そのファイナルでは今年11月に初となる日本武道館でのワンマンライブを開催することも発表し、次のフェーズへ歩を進めることを宣言した彼らから、新たなアクションが届いた。ニューシングル『静脈/ERROR』とリミックスアルバム『AGE FACTORY REMIXES 2026』、2作品の同時リリースである。シングルについては映画『THE MAN IN THE MIDDLE / 真ん中の男』の主題歌と挿入歌として書き下ろされたことがすでに発表になっているが、一方のリミックスアルバムは事前告知なし、完全なるサプライズリリースだ。“静脈”と“ERROR”という様相のまったく異なる曲がまるで1つの曲のようにつながったシングル、そして世代もジャンルも様々なリミキサーたちがAge Factoryの楽曲をとことん自由にいじり倒しているリミックスアルバム。どちらもとても新鮮で、しかし同時にどこまでもAge Factoryな作品だと思う。この2つの作品が浮かび上がらせるAge Factoryの「今」とはなんなのか。メンバー3人に語ってもらった。

インタビュー=小川智宏 撮影=Odagiri Raku(Healthy Cream)


『Sono nanika in my daze』の逆というか、ただただ今の自分たちがいいなと思ってるノリをまとめて、2曲を1曲にしたかった(清水)

──アルバム『Sono nanika in my daze』が去年の夏に出て、その後ツアーをやり、ファイナルで今年の日本武道館公演を発表して。そこからAge Factoryとしてはどんなことを感じながらやってきましたか?

清水英介(Vo・G) ツアーで『Sono nanika in my daze』というアルバムのタームが終わったというのもあって、そこからは昔の曲とか、Age Factory本体と向き合っている感じで。ファンクラブツアーとかで久々の曲とかもやったり、対バンも増えたりっていう中で、『Sono nanika in my daze』とは違う、Age Factory本体として「次」を探しているような時間でした。

──Age Factory本体? つまり『Sono nanika in my daze』はそことは少し距離のあるものだったという感覚なんですか?

清水 あのアルバムはあのときに自分たちがやりたかったものだと思ってて。終わってみて余計そう思うんです。あれは『Sono nanika in my daze』というものを体現したかったんだな、それが終わったんだな、という。それで今は次の段階に行くのではなく、ただテンションが戻って、Age Factoryとしてバンドに向き合ってるという。あのときは『Sono nanika in my daze』に向き合って、あのテーマを完成して、それが終わって今はまた違う感じに向かっている感じですね。

──うん。前回アルバムについてインタビューしたときにも、「次の展望は今はまったくない」と言ってましたもんね。

清水 そう、確かに展望とかはなかった。今回のシングルも何も考えてないわけじゃないけど、みんなでやりたいことをなんとなく共有してできたというものなんで。すごくラフというか。

──確かにこのシングルとリミックスアルバムを聴いてすごく感じたのは、ある種過渡期的だということだったんですよね。「Age Factoryの次はこれです」ということじゃなくて、こうたゆたうように移り変わるプロセスの途中なのかなっていう。全然性格の違う2作なんですけど、話すとしたらどっちの作品から始めたほうが話しやすい?

清水 『静脈/ERROR』だと思いますね。このシングルはAge Factoryとして出したいというもので、リミックスに関しては0Aという新しく立ち上げたレーベルの発想からできたものなんで、発端が違うんです。それで言うと『静脈/ERROR』のほうは Age Factory的な、さっき言ったその認識から、マジでなんとなく作りたくなったし、できたんですよ。映画のためというか、書き下ろしてって言われたところが始まりではあったんですけど、そういう意味ですごく気楽に曲を作れた。『Sono nanika in my daze』の逆というか、ただただ今の自分たちがいいなと思ってるノリをまとめて、2曲を1曲にしたかったんです。それがこのシングルでやりたかったことですね。

──“静脈”と“ERROR”の2曲はまったく違う性格を帯びていて、ある種こう対照的なんだけど、でもつながっているところもあって。すごく面白い作品になりましたよね。

清水 すごくオルタナティブだと思いますね、やってること的には。音的にもそうですし、こういうビートというシーケンスも含めて。特に“ERROR”に関しては、もうナオティ(西口)も別に弾いてないんで。

──そうなんだ。

西口直人(B・Cho) めっちゃ考えたんですよ。5パターンぐらい考えたんですけど、全然よくなかった。ないほうがよかったんですよね。

清水 だからこの曲をステージでやるときナオティがどうなるのかっていうのはあるんですけど(笑)。でもそんなこと度外視で「曲作って」って言われてるからいいやんと思って。Age Factoryとしてこの曲はちゃんと100%の状態でできるし、その面白ささえもできるやつらになろうぜ、みたいな。

──確かに結果、めちゃくちゃAge Factoryな曲だしね。

清水 どっちもそうですね。ノスタルジーかつドリーミーで、すごく未来的でも過去的でもあって。そこはなんか、映画のイメージもありながらも、今回の書き下ろしに関してはそこに合わせないことが合わせることだな、と思ったんで、すごく自由にやりました。あと“静脈”に関してはYDIZZY(ラッパー)が作詞に関わっているんです。遊びに来たときに僕が困ってて。ずっとサビのフレーズが気になってて、「ちょっと聴いてよ」って言ったら、「これだよ」って言って、1行くれたんですよ。その1行でブリブリッとできて。最近、そういう感じで偶発的な出会いの中でアイデアが変わるのが結構好きで。RY0N4という元々僕らのクリエイティブをやってくれてるプロデューサー的な立ち位置のやつもいますし。そういう意味で、今の自分たちのバンドとしてのすごくピュアな力が集結できているかなと。

【インタビュー】Age Factory、ニューシングル&リミックスアルバムを同時リリース! 今、彼らが見据える「バンドの本体」

“静脈”のアウトロ的なイメージなんです、“ERROR”が(清水)


──この映画の話というのはどういう経緯でやることになったんですか。

清水 これはF-LAGSTUF-Fというブランドの方がいて、一応始まりとしては、去年の年末にF-LAGSTUF-Fが主催しているイベントで流す映像を作りたいというのが最初だったんですよ。そのイベントにはPaleduskやJUBEEも出てたんですけど。でもその話が変わっていって、ショートフィルムになるということになって、そこのために2曲を作ってほしいということになったんです。で、その映画の監督を“Blood in blue”や“向日葵”のMVをやった有光文弥というやつがやるということになったんで、そこから文弥とも直接意見交換をして、具体的に今の方向に進んでいきました。

──監督と話をしていく中で、映画の内容と楽曲はどういう風にリンクしていった?

清水 これは中道というか真ん中の人間──右でも左でもないという話なんです。結局は何も決められないし、決める必要もない、ただ、その責任の所在みたいなところがすごく気持ち悪いっていうのが、わかるなっていう。僕も右でも左でもないし、でもきしょいなと思うものにはきしょいなと思ってしまう。でもその立場をちゃんと言っていいのかわからないもどかしさみたいなのがある。そこがまるで自分の脳内を見てるような感じだったので、ということは自分のラフであれば合うな、みたいな。その右でも左でもない瞬間みたいな。でもそれはハッピーでもなく……っていう不思議な空気感を詰めたいなって。真ん中で浮遊してる感じというか。それが“静脈”と“ERROR”。激しいけど、どちらも思考が浮遊というか、真ん中にいる感じで、腑に落ちないまま終わるような感じに合わせに行こうと思いました。

──この2曲はもうセットというかひとつながりというか、最初からそういうものとして作っていたの?

清水 そうですね。僕はそうしたかったし、今後もそうであってほしいですね。なんかわかんないけど、1曲にしたいとずっと思いながら作ってたんです。“静脈”ができたあとに“静脈”のケツを伸ばして、そのまま曲を作りたいからって言って、直人に“静脈”をバーッと伸ばしてもらって。それでテンポはある程度決めて“ERROR”を作り始めたんで。もうド頭からつながってましたね。

西口 “静脈”とかは特に、結構ブレイクビーツ的なサンプルが同期で入ってるんですけど、それが最初だったんですよ。そのパーツがもともとあって、それをまず俺ら風に広げていく、みたいな。でも“ERROR”は自然にあったから、あんまり覚えてないねんな。ほぼ英介の弾き語りみたいな状態で、「ええ曲やな」という状態から始まったみたいな感じで、あとは98で来たやつを100にするみたいな状態やったんで。

──“ERROR”と“静脈”をつなげていくみたいなことに対しては?

西口 めっちゃ大変でした(笑)。ギターが最後バーッと残っていくんですけど、そのノイズみたいなやつを引き伸ばして残した状態で、同じプロジェクト内でテンポを下げていくというのを作って。そこからシームレスに、同じようなドラムのサンプルなんですけど、アコギに合うような色になっていくっていう。

清水 あれ、結構すごく斬新だと思うんですよ。

──本当に、いつの間にか変わってる感じですよね。

清水 そうですよね。

西口 で、入ってくる増子くんのドラムのフレーズとかは、全然それとは関係ない、ゆったりしたやつなんで。そこに対してシェイカーみたいなニュアンスでそのブレイクビーツが入ってるというのが、聞こえ方としては面白いかなって思ってた気がします。

清水 奇跡な感じやったよな、最初に合わせたとき。「うわ、これが合うの?」みたいな。

増子央人(Dr・Cho) 全然違うけどつながってる、違和感なく聴けるみたいなのは、たぶんそれもあるんだと思います。

清水 なんか“静脈”のアウトロ的なイメージなんです、“ERROR”が。だからほんまのカップリングができたな、みたいな感じかな。

──清水さんの中では歌詞もつながってるイメージなんですか。

清水 なんか同一人物の視点な気がしますね。

──“静脈”のときはやっぱりすごくなんかこう意志が出てる感じがするんだけど、“ERROR”のときはそれすらなくなって潜っていっちゃう感じが面白いなって。

清水 “静脈”が拒絶で、“ERROR”が諦める、みたいなイメージなんですよ。それってどっちも一緒で、最終的には無。中道ではないけど、決めきれないっていうことなんです。でもそれがダメっていうことじゃなくて、「ほっとけよ」みたいな感じですね。

──拒絶はやっぱりエネルギーを使うから、“静脈”の人はエネルギーがありますよね。そうですね、“ERROR”のほうは完全にガソリンなくなってる感じというか。

清水 うん。

──ちなみにYDIZZYがくれた1行ってのはどこのことなの?

清水 この《この姿を》ってやつ。

──超重要なところじゃん。《これ以上/相入れない/もの全てと/これ以上/愛せない/この姿を》って。

清水 《相入れない》っていうのは、オートチューンで「あい」のとこシャウトしたらバリいい感じだったんで、絶対入れたいと思ってたんですよ。そこだけ決まってたんで、それをどうしようかなという感じで言ってたら、YDIZZYが「《この姿を》じゃない?」とか言いだして。秒で決まりました。自分の中にいる何かに対して拒絶してるんやなって。

──めちゃくちゃ深い言葉をくれましたね。

清水 なんかこんなにでかい地球上に、ちっちゃい一点として拒絶している気持ち、すごく強がりみたいな。

──《この星の下》って言ってるわけだから、スケールはでかいんだよね。

清水 そうなんですよ。

──増子さんはそのビートの作り方も含めて、どうでしたか、今回は。

増子 なんか新しいことしてる感がありました。“静脈”のビートは、普通に好きなビートやったんで、ちょうどスタジオで勝手にそういうビートをコピーして練習したりとかしていたんですよ。そこに「こういうビートでの曲をやろうと思ってる」みたいになって「今やってるやん、それ」って。だからなんか面白かったですね。フィルとかもこのビートでしか使わなさそうなフィルを使ったりとか、あまりやってきてなかったことをやってたんで、チャレンジしてる感じでよかったですね。あと、個人的に“ERROR”みたいなビート感のやつは、力入れんで叩けるのがめっちゃ好きなんですよね(笑)。はよライブでやってみたい。

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