ビーチ・ハウスとツアーも

ワイルド・ナッシング『ノクターン』
2012年09月12日発売
ALBUM
ワイルド・ナッシング ノクターン
一昨年のデビュー・アルバム『ジェミニ』がピッチフォークの年間ベストの一枚にも選出されたジャック・テイタムのソロ・プロジェクト。昨今のチルウェイヴ周辺からニューゲイザーの流れも汲むローファイなドリーム・ポップは、ウォッシュト・アウトやテニスと並んで日本でも注目を浴びた。本作はそれに続く待望のセカンド・アルバム。ヴァイオリンやチェロを配したオープニングの“シャドウ”が印象的だが、全編を通して前作以上に細やかで流麗に音を重ねたレイヤー・サウンドが耳を惹く。タイトルの『ノクターン』には、「夜想曲」の他に「器楽合奏」という意味もあるらしい。なるほどその通り、シンセにドラムや生楽器を交えたアンサンブルの華麗さ、さらにヴォーカルと相俟った音の広がりや奥行きこそ、本作が示す飛躍のポイントかもしれない。ちなみにプロデュースを務めたのは、ダーティー・プロジェクターズやディアハンターも手がける敏腕ニコラス・ヴェルネス。録音はブルックリンの名所レア・ブック・ルームで行われ、本作は名実ともにキャリアを代表する一枚となるに違いない。バンド編成のライヴもよさそうなので、期待。(天井潤之介)
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