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バンド名表記を変えてリリースした『Border=Border』以来、およそ1年ぶりのEP。音楽的に色彩豊かで「なんでもあり」なのは前作と同様で、ギターロックに軸足を置いたものからハウス系統の人力ダンスミュージック、ゴスペル調のミドルまで、あらゆる角度から鼓膜と身体を射抜いてくる。ただし、制限を取っ払うことでバンドの自在性を解放させる意志や、ある種の実験性を感じさせた前作と比べ、今作でのふたりはより確信を持ってバンドが今鳴らしたい/鳴らすべきサウンドを捉え、手中に収め切っている印象だ。ファルセット交じりの疾走と雄弁なロックギターが鮮やかなタイトル曲“Abyss Red”で歌われるのは、《逆らって/重力さえ無視して》《少しでも速く》《少しでも遠くへ》という明らかな前傾姿勢。先立って昨秋にリリースされたニューアンセム“ハレ”においても、ラストを《時は来た/このまま行けるとこまで》という言葉で締めている。円熟の味わいと鮮烈なインパクトを併せ持ち、TenTwentyとは何かを知らしめる決定打。(風間大洋)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年4月号より)
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