青春群像劇の傑作

おとぎ話『理由なき反抗』
2008年10月08日発売
おとぎ話 理由なき反抗 - 理由なき反抗理由なき反抗
虚無と絶望が押し寄せる世界。音楽はその世界を変える力を持っている――なんてロックの常套句だけど、それを正直にやっているから、おとぎ話の音楽はいい。様々なものが氾濫しすぎた現代では、奇を衒いすぎると足元を掬われる。「何か」に猪突猛進に向かっていく姿は、現代を生き抜くために必要な姿そのものだ。

≪好きな娘に告白したらさ 僕等の未来が壊れたのさ≫(“ネオンBOYS”)で幕をあけ、≪ハロー 素晴らしい日々の「唄」よ≫≪今までホントにどうもアリガトウ! 新しい空にまた泣きました≫(“とびらをあける”)という喜びで幕を閉じる本作には、すべての根源である「愛」が溢れている。衝動やサイケデリックを極力削ぎ落とし、人間の核でもある「愛」という存在、ミュージシャンのルーツであるだろう「音楽への愛」、バンドの核である「アンサンブル」――それはまるで、絶望、苛立ち、葛藤、自問自答の末に「愛」を描いた、青春群像劇のアンソロジーのよう。『理由なき反抗』というタイトルのように、不朽の名作として語り継がれるべきエバーグリーンな輝きを放った傑作。(岡崎咲子)
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