ラテン系のリズムを取り入れた重量級のリズムで描き出す、大地ごと揺さぶるようなダンサブルな躍動感。《足掻きもがいて 楽しむんだ/踊りな Your life》というリリックとともに、闘いの日々を丸ごとリスナー/オーディエンスとともに踊り尽くそうとする強靭な意志──。2027年度はお給仕(ライブ)活動を小休止することを発表しているBAND-MAIDだが、その先に控えている結成15周年のアニバーサリーイヤーを見据えた5人の覚悟が、“ENERGETIC”はもちろんのこと、カップリング曲“Days”“CAGE”も含め今作の3曲からダイレクトに伝わってくる。
コロナ禍の2021年に残念ながら開催中止となって以来の日本武道館ワンマンライブのリベンジ(しかも11月13日・14日の2デイズ開催!)をツアーファイナルに据え、現在は国内のみならずヨーロッパ/北米/アジアを股に掛けた「BAND-MAID WORLD TOUR 2026」真っ最中のBAND-MAID。唯一無二のバンドの「今」と「これから」について、メンバー全員に語ってもらった。
インタビュー=高橋智樹 撮影=伊東実咲
──“ENERGETIC”、最高ですよね。踊ってますよね。“ENERGETIC”は2026年、武道館までみんなを踊らせて、エネルギーを爆発させて、お給仕でより完成させる楽曲にしたいなって(KANAMI)
小鳩ミク(G・Vo) 踊ってますっぽね(笑)。伝わりましたっぽ?
──はい。これまでBAND-MAIDって、ソリッドなビートでゴリゴリと押していく感じの曲が多くて、シャッフルとかラテン系とかの印象があまりなかったんですが、めちゃめちゃソカのビートで踊ってる曲ですよね。
5人 ふふふ。
──これは最初から「踊ってる曲にしよう」と思って作り始めたのか、それとも「作っているうちに踊れる曲になった」のか、どちらでしょうか?
KANAMI(G) この曲はもう、踊らせたい!と思って。2026年、武道館までみんなを巻き込んで、踊らせていきたいって──エネルギーを爆発させて、お給仕でより完成させていくような楽曲にしたいなと思って。リズムパターンはこういうのにしようって決めてて、最初はベースソロから始めたいなと思って、久しぶりにベースから始まる楽曲だったので、MISAちゃんに「ここベースお願い!」って伝えました。あとは、踊らせたいし、みんなに歌わせたいしっていうのもあって、イントロでみんなで歌えるようなメロディを入れたりしました。ただ、うちのバンドは全員が主役だと思っているので、ギターソロの見せ場とか、ドラムの見せ場とか、小鳩がしっかりギターを弾いてコーラスしているところも、ツインボーカルとしてメインっぽいものにさせてもらったり。
──以前のインタビューでも、僕は「AKANEさんのスネアの音色は太くて重い」っていう話をしたと思うんですけど、それによってただアガるソカのリズムではない、前に迫ってくるような感覚があって。BAND-MAID独特のビートになっているのが新鮮ですよね。
KANAMI 「パン」っていう音色も聴きたいんですけど、それだと軽くなりすぎちゃうというか──疾走感のある曲なので、コロコロコロって転がっていっちゃう感じにはしたくなくて。しっかりどっしりしたプレイをしてもらいたいっていうことで、今回レコーディングの時に「スネアのチューニング、もっと低くしてください!」って(笑)。
AKANE(Dr) 結構低めにしたよね? 曲のイメージ的には高めの、わりとカンカンっていう音のほうがいいのかな?って悩んだんですけど、やっぱり重心を低めに置いときたいなあっていうのがあったので。スネアとバスドラは下の音域にいきたいなって意識してました。結構悩んだよね?
KANAMI 悩んだねえ。しかも、叩くのが結構難しいみたいで──「みたいで」ってめっちゃ他人事みたいなんですけど(笑)。叩き方がだいぶ変わるみたいで。
AKANE そうだね。ショットスピードをしっかり上げて鳴らしきらないと──高い音のほうが鳴らしやすいんですけど、低めの音にしたらヘッドも張り気味じゃなくなるので、叩いてて疲れやすくて(笑)。
KANAMI 「もう手がパンパンです」って言ってたもんね(笑)。
──あのリズムって、ちゃんとキープするのは難しいですよね。
AKANE 難しいですね。一音一音、裏拍も大事にしないといけないから、鳴らすのが大変で。特訓でしたね。
KANAMI でも、ミックスの時に「やっぱりスネア低すぎたね」って(笑)。トリガーで音色を足しつつ、でもメインの音もいい塩梅で出しつつ、いい感じになったと思います。
AKANE トリガーのおかげでより前に出たというか、聴きやすくなったと思いますね。
MISA(B) ベースは、この曲のちょっとハネる感じが難しかったですね。でも、KANAMIから「ベースのフレーズはバチバチに動いてほしい」っていう要望が来て──結構こだわりたいじゃないですか。ベースが目立つんだ、と思って組み立てながら、でも自分が本能的に弾けるようなベースラインを作りたいと思って。
──こういうビートの楽曲が生まれたことで、ひたむきに突き進んできたBAND-MAIDの世界に躍動感が生まれているのが嬉しいですね。小鳩さんの歌詞はがっつり闘ってる感もありますけども──。
小鳩 そうですっぽね。最初から「踊れる曲を」っていうイメージを聞いていたので、《踊りな》とか、一緒にテンションが上がるような歌詞にしようと思って書き始めましたっぽね。私たちはこの曲を持ってツアーを回るっていうのと、来年はお給仕活動が少し──みなさんと会う機会がお休みっていうことも発表していたので、「私たちは止まるわけじゃなくて、もっともっと先に進むんだよ」って意思表示を歌詞に入れたいなと。弱い言葉よりは強さを重視しつつ、「世界征服」という目標に繋がるワードも入れつつ、今後の私たちの成長を感じてほしい、ついてきてほしい、って気持ちも込めて、強めで歌詞を書かせてもらいましたっぽ。
──実際、今はワールドツアー真っ最中にお時間をいただいているわけですけども。来年の充電を発表したあとのツアー序盤の空気感はどうですか?「むしろ休んでほしかった」みたいな声もあったっぽね。「止まっちゃいけない」みたいなところが、私たちの中にもありましたっぽ(小鳩)
SAIKI(Vo) みなさん、私たちの意図も汲んでくれていますし。いざ発表したあとにみなさんの声を聞いたら、「いつまで経っても止まらないから、ちょっと心配してた」って(笑)。
小鳩 「むしろちょっと休んでほしかった」みたいな声もあったっぽね。
SAIKI 「やっと休めるんだね」みたいな感じで、労いの言葉をいただけることもあって。発表の時に、ツアーファイナルのこともお伝えさせてもらってたので、「ようやくリベンジが叶うね」っていうことも一緒に喜んでくれて。全然マイナスな空気はなく、ツアーを思いっきり楽しんでくれてますね。
──確かに、ずっと作品を出してたし、ずっと止まってなかったですよね。
小鳩 そうですね。「止まっちゃいけない」みたいなところが、私たちの中にもありましたっぽね。
SAIKI お給仕が生き甲斐なところがあるし、それは自分たちで守っていきたいっていうプライドもあったので。みんなが満足──まだ満足はしてないんですけど。
4人 (笑)。
SAIKI 結成15周年を控えているし、そういうことを考えた時に、より長くBAND-MAIDを続けるために、今この選択を取らせてもらった、っていうことですね。
──バンドを最大限にチューンアップして、ずっと走り続けていくためには、小休止も必要ですよね。
KANAMI 今はインプットがあまりできてなくて、とにかくアウト、アウト、アウト!だから。一旦吸収をさせてもらったうえで、15周年に新しい方法でお給仕をやりたいなって。そういう挑戦をする準備もしたいなって思いつつ……リリースとかも、ね?
小鳩 する気でおりますっぽ。制作が止まることは、私たちの中ではないし、直接目の前でお給仕っていう機会がちょこっとだけないっていうだけで、他は何も変わらずやっていくつもりですっぽ。
SAIKI 今まで見られなかった私たちを見せるための準備期間なので。楽しみにしててほしいですね。
──ひたすら的のど真ん中を撃ち続けるだけじゃなくて、いろんな角度のアプローチがあっていいじゃないかという。“ENERGETIC”はまさにその象徴みたいな楽曲ですよね。しかも、それがBAND-MAIDの流れから外れたものかと言ったら、がっつりBAND-MAIDだった。
小鳩 感じ取っていただきたいことをちゃんとわかってもらえて、よかったですっぽ。
KANAMI 過去最速・最短みたいな感じで作り上げた曲で。
小鳩 逆に「前から温めてました!」っていうことはたくさんあったんですけど、即出しは初めてですっぽね。
KANAMI 曲のアイデアはあったんですけど、今回リリースをするっていうことになったので、「これもぜひ入れたいね」っていうことになって。
SAIKI 「時間がない!」って。
小鳩 「でも入れたいっぽね」ってなって(笑)。ほんと、今の私たちじゃないとできなかったと思いますっぽ。