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資料に「これを完成させた時、僕らは紫で満ち溢れていることでしょう。」と川谷絵音(Vo・G)の言葉。indigo la Endといえば藍色だが、紫は藍よりも深い闇や艶、心の奥に秘めた想いがイメージされる。indigo la Endが紫を使って描いたのは、淡い心象風景や恋模様だけではない、現実的で人間的な割り切れない感情たちだった。《“僕は普通ですから”》と自嘲気味に繰り返す“夏目”から、《つまらない夜に踊ってんだ/カリスマ気取って泣いてんだ》(“呪いはいつまで”)や、《安心なんてできやしない/僕はいつだってできやしない》(“できやしない”)など、アルバムを通して川谷の心の「紫」はどんどん濃くなっていく。吐き出される感情に呼応して音楽的濃度も増していき、緻密なアンサンブルはもちろん挑戦的なアレンジの数々に圧倒された。聴き終わったあとに残ったのは、いつもの心地良さと新鮮なざわめき。15周年を経て円熟期に入るかと思いきや、まだまだ彼らは貪欲に自分たちの音楽を研ぎ澄ませようとしている。(後藤寛子)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年8月号より)
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