意外と体育会系的なキラメキ・ポップ

竹内電気『「milk tea/sexy sexy」』
2008年08月20日発売
竹内電気 「milk tea/sexy sexy」 - milk tea/sexy sexymilk tea/sexy sexy
従来の平均的なポップ観に照らし合わせて考えると、「ロッキン過ぎ」「キラキラ過ぎ」「ファンキー過ぎ」「バウンシー過ぎ」な竹内電気の演奏。むしろ、その演奏の過剰さをキャッチーなソングライティングでもって押さえつけ、なんとかぎりぎり「ポップ」のバランスを維持しているというか、そんな印象さえ受ける。先のフルアルバムにおける「全曲シングル切れそうな感じ」というのも、作曲の巧みさはもとより、一見サラリとしていながら気合入りまくったそのアレンジが全曲の「シングルっぽさ」を感じさせたのだと思う。ポップ・ソングを量産するけど、実態はジャム・バンド的なのだ。

この新たなシングルもやはりというかダブルA面な扱いで、わざわざ自分達でハードルを高くするような超絶アレンジが炸裂している。“milk tea”での時間経過と共に揺れ動く感情を描写した山下の歌詞もまた素晴らしい。甘いタイトルに油断してると背後から刺される感じだ。作曲、アレンジと演奏、歌詞に至るまで、ポップという軽やかなイメージには甘えないし、周囲からそれを求められることで更に凄くなりそう。(小池宏和)
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