【RO JACK優勝アーティスト特集】君の居場所だけを歌い続ける──ロックの野心を一手に担う王道バンド、Cloudyに迫るインタビュー&レビュー!

【RO JACK優勝アーティスト特集】君の居場所だけを歌い続ける──ロックの野心を一手に担う王道バンド、Cloudyに迫るインタビュー&レビュー!


僕が人生を捧げているCloudyというバンドを聴いてくれる、ライブまで来てくれる存在は、今の僕にとってのすべて

──ROCK IN JAPANのステージはどうでしたか?

小柴タケト(Vo・G) 3年前は観ていた側だったのに出られる側になった喜びはありつつ、超満員の景色ではなかったので、夢が叶ったという感覚ではなかったです。この経験を野心に変えて、あのステージに相応しいバンドになりたいです。

──あの日はまだサポートギタリストだったキノシタ(ハルト)くんが、正式にバンドに加入することになりました。やはり4ピースへの憧れはありますか?

小柴 ギターボーカルがセンターにいる4ピースに子どもの頃から憧れていたので、絶対にメンバーを入れたかったです。そのうえで、(キノシタは)熱意や技術的なところを見てもすごくいいギタリストだなと思っています。あと人間性も──わりと殺伐としているバンドなんですけど(笑)、オアシスのような癒やしが入ってきた感覚です。

──キノシタくんはCloudyのどこに惹かれましたか?

キノシタ 僕は無骨だけど内に熱いものがあるバンドに感動してきたので、Cloudyはかっこいいなと思いました。音楽的なところはもちろん、一人ひとりの姿勢も尊敬しています。尊敬する先輩であると同時に心強いメンバーだと思います。

──キノシタくんが加入して今はどんな心持ちですか?

おおつかつばさ(Dr) すごくいいやつだし、努力家で、技術的に秀でている部分があるので、仲間に迎えることができて嬉しいです。

守屋浩次(B) いろんなサポートの人とやる機会が1ヶ月くらいあって、その中でメンバー全員の意見が一致していたので、やっと揃うんだなって思いました。

──4人揃って「RO JACK」優勝特典として“無責任な肯定を”をリリースすることになりましたが、ロックバンドに歌ってほしいことがすべて詰め込まれた素晴らしい曲でした。

キノシタ ボーカル抜きのデモをもらったときは、リズムがハネているのもあって今までの曲とは違うのかなと思ってましたが、タケトくんのボーカルが入って「Cloudyだな」って印象に変わったのを覚えてます。

おおつか タケトくんの思っていることがすべて入っていて、いい歌詞だと思いました。

小柴 この曲はサウンドに関して新しいことをやろうと意識していたわけではなく、歌詞先行でできたんです。いつもはメロ先か同時が多いんですけど、この曲は言いたいこと優先でできたので、歌詞に合わせて作ったらハネた曲になりました。

──ロックバンドに歌ってほしいことを誰よりも知っていないと書けない歌詞だと感じました。いち音楽リスナーとしての自分は今も大事にしていますか?

小柴 この曲はリスナーとしての自分を中心に歌ったものです。ロックバンドが何かをくれるわけでも、目の前の悩みを解決するために具体的な動きをしてくれるわけでもないのに、救われたような、居場所をくれたような気持ちになるのはなぜかを考えたときに、“無責任な肯定を”というタイトルが浮かびました。

──《間違った事をしてしまう君は/間違っていないのさ》という部分は、ものすごく大きな肯定だなと。小柴くんは人を信じる気持ちを強く持っている?

小柴 いや、むしろ疑いやすいタイプで、みんなを幸せにしたいとはあまり思わないタチなんですけど、目の前の人くらいは幸せにできたらいいなと思っています。僕が人生を捧げているCloudyというバンドを聴いてくれているだけでも嬉しいのに、ライブまで来てくれる存在は、今の僕にとってすべてと言えるので、僕らのことを聴いてくれる人くらいは肯定したいです。《全員を愛すなんて正し過ぎて気味が悪い》という歌詞もそういう想いで書いています。

──《正し過ぎて気味が悪い》という表現は、そんなことできるわけがないということではなく、正しすぎるからやらないと言っているのが面白いです。

小柴 僕は捻くれ者なので。『アンパンマン』でもばいきんまんがいちばん好きでしたし(笑)。Cloudyというバンド名も捻くれ者じゃないとつけないですよね。“無責任な肯定を”は、まさしく捻くれている曲です。

インタビュー=有本早季 撮影=横山マサト

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