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活動15周年イヤーを経て、早くも届いたフルアルバム『銀化』。本作には未発表曲のみで開催した「未発表曲ツアー『エリア未来』」の演奏曲と、トラックメイクにRefeeldを迎えた“i”の全12曲が収録された。「個」の世界の中から世間や人間と向き合ってきた日食がツアーのサポートメンバーと練習スタジオで音を重ねながら制作したという本作。それもあるのか、ピアノ主体の弾き語り楽曲よりも、楽器隊の厚みのある音に日食のピアノがぶつかり合い、音で会話をしている場面が楽曲内で目立つ。“風、花、ノイズ、街”“夜刀神”などはロック色が強いのだが、それはバンドスタイルで回る初のZeppツアーを控えていることも影響しているだろう。この挑戦は彼女に大きな変化を与えているはずだ。16年目で新たなフェーズに入り、これまでの「個」という大きな殻を破った日食なつこが爆誕し、そして『銀化』で解き放たれた。その無限の可能性に私は心からワクワクして仕方ない。今作は彼女の新たな歴史の「始まり」が刻み込まれた至極の一枚だ。（岩田知大）

（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年6月号より）

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