全身全霊で生きている人間がいちばんかっこいいということをanoはライブで教えてくれる── 「BONE BORN BOMB TOUR」を観て

全身全霊で生きている人間がいちばんかっこいいということをanoはライブで教えてくれる── 「BONE BORN BOMB TOUR」を観て
anoが音楽で生き様を見せるアルバム『BONE BORN BOMB』、そのリリースツアーではもっともっと剥き出しのanoが自分自身のすべてをライブという「今」に捧げ尽くしていた。

同期を抑えて生バンドの音にフォーカスしたアレンジ、ダンサーなしで演出も少なくanoのエネルギーを中心に魅せたパフォーマンス。騒々しい日々をひとり生きながら「ふたりだけの世界」を求め歌われた“この世界に二人だけ”で観客の凝り固まった心をえぐり出したかと思えば、“骨バキ☆ゆうぐれダイアリー”の爆音がそれをぐちゃぐちゃにしていく。本編最後の“絶絶絶絶対聖域”でカタルシスを迎える頃には、心はそれぞれが生きやすいかたちに整えられているのだった。

anoが抱える苦しみをまったく同じように理解することはできない。でも、anoの目から零れる大粒の涙とファンへの感謝の叫びが導いた“Past die Future”を味わった僕らは、自分に正直に、全身全霊で生きることの苦しみの先にある唯一無二のかっこよさを確かに教えてもらった。

9月3日に待ち構える日本武道館ワンマンのタイトルは「呪いをかけて、まぼろしをといて。」。anoは全身全霊で生きる人を邪魔するものすべてに呪いをかけながら、まぼろしをといた僕らのあるべき姿を武道館でともに見つけ出してくれるはず。(畑雄介)

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