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こっちのけんとの新たなチャレンジである。キャリア初の「ラブソング」であり、BEATPELLA HOUSEのYella.Eとの言葉を超えた日韓のデュエット曲。穏やかなサウンドにのせて、韓国語と日本語による掛け合い、そして時にYella.Eが日本語で寄り添い、さらにはこっちのけんとが韓国語で重ねるハーモニーと、そのどれもが澄んだ空のような純粋さで胸に響いてくる。どちらかの言葉を理解できなくても、この歌は強く心に訴えかけるものだ。こっちのけんとは今回の楽曲について「新しい挑戦」だとコメントしていたが、それは、日韓のデュエットでラブソングを表現するという、その構造自体がチャレンジなのではなく、メロディと歌声とで「言葉」を超えた思いをどれだけ伝え合えるのかという、そんな挑戦だったのではないかと思う。これまで歌やラップの「言葉」をどこまでも大切してきたこっちのけんとが、その「言葉」以上のものを歌声に込めた。この曲を聴くと、そんなふうに思えて仕方がない。そしてそれがとても美しい。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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