1月15日にロスアンジェルスの低所得者層とホームレスを支援するチャリティ・フェスティヴァルに出演したパブリック・エネミーのチャックDは今年中に新作を2枚リリースすることを明らかにしている。
最初に6月にリリースが予定されているのは『Most Of My Heroes Still Don't Appear On No Stamp』で、こちらは1991年の『アポカリプス91』からコラボレーションを続けているギャリー・G-ウィズをプロデューサーに迎えているとか。2枚目となる『The Evil Empire Of Everything』は9月にリリースを予定していて、両作品についてチャックDは「同じ息で語られた簡潔な2つの発言だ」とビルボード誌に説明している。
その一方で15日に行われたフェスティヴァル『オペレーション:スキッド・ロウ』では、アメリカでも最底辺の貧困地区のひとつとして知られるロスアンジェルスのスキッド・ロウへの関心を高め、アメリカの住宅事情の危機をさらけ出したかったとチャックDは説明している。
ロスアンジェルスの中心部にあり、貧困層とホームレスの巣窟ともいわれるスキッド・ロウについてチャックDは「スキッド・ロウはLAの『隠された恥部』とずっと言われてきたんだよな。だから、それをおおっぴらにしてやるんだ」とフェス前の取材で語っていた。
また、フェスの目的についてチャックDは次のように語っている。「ヒップホップの部外者っていうのは、ヒップホップがまるで世の中を支配している権力構造のようにエリート主義的なものとしてみなしがちなんだ。でも、LAにはこうして正しいことをやろうとしてるヒップホップの組織があって、しかも、誰にも注意を向けられないから必死にメディアへの露出を勝ち取らなきゃならないんだ」。
「それにこういうところ以外に俺の居場所なんてないよな。ヒップホップにおける俺の居場所っていうのは大ボスになって、数兆ドル稼いでヨットで暮らすようなところにはないからさ。そんなの俺には合ってないから。俺に合っているのはみんなを集わせて、問題を明らかにしてそれを提起することなんだ。そうやってみんなにはみんなであることに自信を持ってもらい、みんなが本当に言いたかったことを実際に口にできるように背中を押してあげると、そういうことが俺には合ってるんだ」
なお、1月は革命的な作品といわれるパブリック・エネミーのファースト『YO! BUMラッシュ・ザ・ショウ』からリリース25周年となる。
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