今、音楽ファンでCreepy Nutsを知らない人はまずいない。でも本人たち以外、ほとんど誰も「本当のCreepy Nuts」を知らないのではないだろうか? それを解き明かすことが、このJAPAN初のCreepy Nuts表紙巻頭特集のテーマだ。単純にラップがたまらなくやりたいという強烈な衝動に導かれながら、ヒップホップ的なバックボーンの中心にはいないと自覚していたR-指定。一方でヒップホップという音楽の懐の広さに抱かれなかった人生が想像もつかないDJ松永。それぞれに歪ながらすごい才能だが、そんな「たりないふたり」が出会ったCreepy Nutsというグループの存在はとてつもない奇跡だった。ずっと過去の自分とやり合ってる感じはあります。ブーメランが自分に刺さるときも全然あるし。あんな状態やった俺を、今の俺は救えてるのかなとか
このようなグループがヒップホップの世界にも、それ以外のジャンルにもいなさすぎることによって、どこのカルチャーからも正確な位置付けがされていない。ただ、その奇跡のコンビネーションが生み出す音楽のすごさだけが人々を楽しませ、興奮させ、その拡がりは東京ドームもグローバルチャートも超えて止まるところを知らない。そんな独走状態のCreepy Nutsに食らいつくべく、ド正面から、ふたりの原点から最新形にまで向き合った、それがこの終電がなくなるぐらいの時間に行われたとは思えないテンションの「ノンストップ爆語り」インタビューである。
インタビュー=古河晋 撮影=cherry chill will.
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年10月号より抜粋)
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