【JAPAN最新号】クリープハイプ、遂に開催されたアリーナツアー「本当なんてぶっ飛ばしてよ」。そこで静かに蠢いたもの、そして溢れたものとは何か?――ロングレポート+終演直後インタビュー!

【JAPAN最新号】クリープハイプ、遂に開催されたアリーナツアー「本当なんてぶっ飛ばしてよ」。そこで静かに蠢いたもの、そして溢れたものとは何か?――ロングレポート+終演直後インタビュー!
現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』5月号別冊にクリープハイプ アリーナツアー 2023「本当なんてぶっ飛ばしてよ」のレポートと終演後インタビューを掲載!

遂に開催されたアリーナツアー「本当なんてぶっ飛ばしてよ」。
そこで静かに蠢いたもの、そして溢れたものとは何か?――ロングレポート+終演直後インタビュー!

撮影=関信行、岩本彩 文・インタビュー=天野史彬


3月12日、幕張メッセ国際展示場で開催されたクリープハイプのアリーナツアー「アリーナツアー 2023「本当なんてぶっ飛ばしてよ」」の千葉公演2日目。バンド史上最大規模のワンマンライブではあるが、だからといって、予定調和な盛り上がりを嫌うクリープハイプらしく、ライブは過剰なドラチックさとは無縁のものだった。時にステージ上に模様を描くように放たれる印象的な照明や、メンバーの表情を鮮明に映し出すビジョン、紙吹雪や銀テープ(仕掛けあり)など演奏のダイナミズムを視覚的にも増幅させる演出はあったものの、わざとらしく演技がかったものはない。バンドは約2時間をかけて、全25曲を披露。間(ま)を「埋める」のではなく、「味わう」かのように、多くの場面で曲間は余裕をもってとられ、最後にアンコールもなく、ある意味では、「淡々とした」と表現し得るライブだったと言える。

しかし、溢れてくるものはある。淡々としていたと書いたが、安易な起承転結に収まらないがゆえに、ライブ全体の流れには、断片の連続によって流動していく人生のようなリアルさがあった。それに、過剰にドラマチックにならないというのは、クリープハイプの4人は「他人」に与えられた物語を語ることを拒んだというだけであって、クリープハイプ自身の物語を語ることに対しては、彼らは全存在を賭して引き受けていた。それは演奏に表れていたのはもちろん、MCで真っすぐ聴き手に気持ちを告げるように言葉を発していた尾崎世界観(Vo・G)の姿にも、「今日、この場所で、言わなければいけないことを言おう」という強い意志を感じた。この日の彼は、クリープハイプとして生きてきた人生、あるいはクリープハイプというバンドを生み出した自らの人生を背負って、言葉を発しているようだった。(以下、本誌記事に続く)

(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年5月号より抜粋)


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