しかし本当に驚かされるのは、それらのサウンドを束ね上げる彼の人間力だろう。もともとは声楽を専攻していたというだけあり、その歌声はすでに一級品。カバー動画で培った表現力に加えて、鬼気迫るテンションが胸を打つ。そんな歌声の根底にあるのは、10代特有のリアルな痛みと哀しみ。《最低で最高な世界を/邁進し堪能し安楽死》と歌う“東京散歩”はまさしく象徴的で、苦悩を曝け出しながら、希望の光を探し求めるアルバムは、文学的な筆致とZ世代のキャッチーさで、焦げつくような精神世界を描いている。心に投げかけるものの大きさは絶大。末恐ろしい才能の登場だ。(小熊俊哉)
映秀。数奇な歩みを見せてきた新世代の代弁者
2021.03.10 12:00
しかし本当に驚かされるのは、それらのサウンドを束ね上げる彼の人間力だろう。もともとは声楽を専攻していたというだけあり、その歌声はすでに一級品。カバー動画で培った表現力に加えて、鬼気迫るテンションが胸を打つ。そんな歌声の根底にあるのは、10代特有のリアルな痛みと哀しみ。《最低で最高な世界を/邁進し堪能し安楽死》と歌う“東京散歩”はまさしく象徴的で、苦悩を曝け出しながら、希望の光を探し求めるアルバムは、文学的な筆致とZ世代のキャッチーさで、焦げつくような精神世界を描いている。心に投げかけるものの大きさは絶大。末恐ろしい才能の登場だ。(小熊俊哉)