単独与党から過半数割れへと追い込まれたことで、メイ首相の辞任も噂されているが、選挙前にはさまざまなアーティストたちが反保守党を掲げて投票を呼びかけていた。
特にM.I.A.、ディスクロージャー、フォー・テット、カリブー、リリー・アレン、ベンUFO、ザ・プリースツらがジェレミー・コービン党首率いる労働党を支持。
その中でも、リリー・アレンはキーンの“Somewhere Only We Know”のカバーを労働党のキャンペーン・ソングとして提供。
そしてグライムMCのJMEもまた、コービン労働党党首とのインタビューを公開するなど労働党への支援を積極的に打ち出していた。
また、熱心な労働党支持者として知られているアデルやフローレンス・アンド・ザ・マシーンのフローレンス・ウェルチも投票を呼びかけていた。
アデル:「投票しましょう」
フローレンス・アンド・ザ・マシーンのインスタグラムには手書きのメッセージ画像が投稿され、これをザ・エックス・エックスがリグラム。ディスクロージャーは労働党の象徴になっている赤いバラの画像を投稿していた。
ザ・エックス・エックス:「目を覚まして、クリエイティビティを呼び起こして、参加して、希望を失わないで。投票しましょう」「いつも刺激をくれるフローレンスの美しい言葉をリポスト。イギリスの友人たち、投票を忘れないで」
M.I.A.のインスタグラムに投稿された、労働党と保守党の有名人支持者一覧。
M.I.A.:「そもそもポール・ダニエルズはもう死んでるけど。多数派の方のリストに自分の名前が入ったのは初めてかも」
なお、今回の総選挙は強硬なEU脱退方針を貫徹する目的でメイ首相が仕掛けたものであり、EU脱退が選挙の主な争点となるはずだった。
しかし保守党の福祉削減が大きな批判を呼び、特に年金受給者の負担増額法案が「痴呆税」と揶揄され、大きな批判を受けることになった(年金受給者であっても入院している場合、増額負担は免除されるものの、認知症などで在宅治療や介護を受けている受給者は増額負担を強いられる。そのため認知症になると税金を取られるのだと批判されることになった)。
また、英テロ事件の影響でテロ対策も争点として急浮上、コービン党首と労働党はメイ首相が内務大臣に就いていた当時、警察職員を大幅に人員削減したことがテロ対策が手薄になった原因のひとつとなったのだと批判し、労働党による保守党政権の緊縮財政批判に勢いをもたらすことになった。
そして、アンチ・メイ首相ソング“Liar Liar GE2017”で一躍有名になったキャプテン・スカは選挙当日に合わせてライブを行ったようだ。
ライブ会場では“Liar Liar GE2017”のシンガロングが起こっている。
この曲について、メイ首相本人は以下のようにコメントしているという。
「あまり好きとは言えない、誰だってあんな風に自分のことを歌われたら、その曲を好きになることはできないと思います」
キャプテン・スカの“Liar Liar GE2017”のヒットの背景は以下の記事で知ることができる。