JAPAN ONLINE FESTIVAL 2021 Autumn/DAY1・DAY2・DAY3

DAY1/11月20日(土)

ヤバイTシャツ屋さん
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●セットリスト
01.かわE
02.癒着☆NIGHT
03.sweet memories
04.Tank-top of the world
05.ハッピーウェディング前ソング
06.NO MONEY DANCE
07.喜志駅周辺なんもない(コール&レスポンスなしver.)
08.かかとローラー
09.無線LANばり便利
10.くそ現代っ子ごみかす20代
11.Bluetooth Love
12.ゆとりロック
13.ヤバみ
14.Give me the Tank-top
15.あつまれ!パーティーピーポー


初日の先攻、つまり今回のフェスのトップバッターはヤバイTシャツ屋さん。配信ライブはあまりやっていないと言っていた彼らだったが、1時間の持ち時間の中にギリギリまで楽曲を詰め込む、ヤバTのいつものフェスモードで存分に楽しませてくれた。こやまたくや(G・Vo)の「おうちの中で一緒に声出してくださいね」という呼びかけで始まったのは“かわE”。初っ端から躊躇なくアッパーなバンドサウンドで、続く“癒着☆NIGHT”では何の違和感もなく見えないオーディエンスに向けてハンドクラップを促し、あっという間にヤバTワールドに引き込んでいく。左右の壁、背面、床面がLEDパネルに囲まれたステージに歌詞の文字やモチーフを楽曲の躍動に合わせて映し出したり、おなじみのタンクトップくん・タンクトップちゃんをアニメーションで映し出したり、オンラインならではの演出が施される。照明も楽曲ごとにめまぐるしく瞬時に変化し、ヤバTのライブのスピーディーな展開に驚くほどマッチしていた。オンラインで無観客というライブ空間でも、そのテンションと演奏で、なかば強引に通常モードの自分たちのライブへと塗り替えていく。バンドのその底力をあらためて思い知らされた。 “ハッピーウェディング前ソング”では、当たり前のように「手拍子!」と画面越しに要求し、演奏中もまるでオーディエンスの姿が見えているかのような臨場感を生み出す。“喜志駅周辺なんもない”では、コール&レスポンスの場面を対バンのKANA-BOONに向けてのメッセージ仕様で見事に盛り上げ、“無線LANばり便利”では実際にシンガロングの声まで聴こえてきそうな勢いだ。曲終わりの「ありがとう! 無線LANで俺たちはつながっている!」という言葉がハマりすぎていた。通常モードでありながら、しっかりオンラインという環境を意識している、そのバランス感にやはりライブバンドとしての強かさを感じた。「普段やらへんギターのハウリングから曲いくやつやります」との言葉通り、ギターハウりからの“くそ現代っ子ごみかす20代”の高速アンサンブルの気持ち良さ。一転シンプルな照明の下、ヘヴィなミドルスローで聴かせる“ゆとりロック”の没入感。通常時以上に、ヤバTのライブでの演奏力に聴き惚れた。「ライブハウスとかフェスの文化を守ってかなあかんと思いながら作った曲」と言って“Give me the Tank-top”を演奏し、続くラストは“あつまれ!パーティーピーポー”。全15曲、とても濃密なライブだった。


KANA-BOON
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●セットリスト
01.ないものねだり
02.シルエット
03.Torch of Liberty
04.ネリネ
05.アスター
06.かけぬけて
07.ダイバー
08.Re:Pray
09.スターマーカー
10.まっさら


KANA-BOONは現在約3年ぶりとなる全国ツアーの最中だが、そのツアー前にこのJAPAN ONLINE FES.のライブは収録されている。なのでこのライブは、最新シングル曲“Re:Pray”が初めて公の場で演奏される貴重な場面を映した映像でもある。「キミのヒーローが帰ってきたぜ。KANA-BOONです。よろしく」と谷口鮪(Vo・G)の言葉から、“ないものねだり”でライブはスタート。先手のヤバTとは対照的に、ステージ背面のLEDにはシンプルにバンドロゴが白く抜かれているのみ。メンバーはいつものように自然体の佇まいで有機的なバンドサウンドを紡ぎ出す。その後、“シルエット”ではモノクロの幻想的な映像、“Torch of Liberty”では燃え盛る炎を思わせる映像とともに、バンドのアンサンブルが徐々に熱を帯びていく。軽快なシャッフルのドラムが鳴り出して始まったのは“ネリネ”。思わず体が動き出す。谷口の抜けのいいボーカルも心地よく響く。生々しいライブの在り方とはまた別の、KANA-BOONのバンドサウンドの良さをじっくり堪能できるライブである。小泉貴裕(Dr)の表情や古賀隼斗(G)の手元までよく観えるのも新鮮だった。そして、「久しぶりにやる曲」と言って谷口がギターのコードを鳴らすと、そこに古賀のリフが重なり、小泉の8ビートが強く後押しする。始まったのは“かけぬけて”。2013年のメジャーデビューシングル“盛者必衰の理、お断り”のカップリング曲としてリリースされた曲だ。谷口は誰かに届けるというより、自身があらためてこの歌の意味を噛みしめるように歌う。その切実な歌声に胸がギュッとなる。しかし谷口は演奏に自身の気持ちが入れば入るほど、そこにオーディエンスの不在を感じ取っているようだった。思わず口にした「収録ライブ、楽しくないです」という発言はそこだけ抜き出せば衝撃的だが、「4人で演奏するのは楽しいけどね。でも本心ではあなたに会いたくて仕方ない」と有観客ライブへの渇望を語ったのだった。だからこそ、谷口の復帰を祈って待っていたファンへのアンサーソングである“Re:Pray”の演奏は、「楽しくない」という言葉と裏腹に強烈な熱を放った。ラストは「残ったエネルギー全部あなたに届けたいと思います」と、“まっさら”を披露。サビで谷口は何度も「Singin!」と、画面のこちら側に向けて叫んだ。ありったけの想いを込めた最後のロングトーン。すべての演奏を終えて谷口は「生きてまた会いましょう。俺たちはずっとここにいるよ」と、カメラを見据えて告げた。


DAY2/11月21日(日)

秋山黄色
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●セットリスト
01.モノローグ
02.Caffeine
03.ホットバニラ・ホットケーキ
04.PAINKILLER
05.アイデンティティ
06.ナイトダンサー
07.夢の礫


2日目の先手は秋山黄色。バンド編成で臨むのが秋山のライブの通常モードなのだが、この日ステージに現れたのは秋山ただひとり。アコースティックで弾き語りをするというのでもなく、同期音源にギターと歌を重ねるやり方で、とても秋山らしいオンラインライブの在り方を提示した。不思議なことに、このライブによって秋山黄色の楽曲の緻密さやすごさがより理解できた。歌が描き出す悲しみや痛みに同期するようにLEDの映像演出や照明も秋山の孤高を際立たせ、その歌の本質を浮き彫りにしていく。クリーントーンのギターをかき鳴らすと、バンドサウンドの同期とともに始まったのは“モノローグ”。ひとりステージに立つ、この日のライブのオープニングに似合う、深く内省的な楽曲だ。ギターソロの歪みが孤独の世界を強烈に描き出す。そしてエレアコのギターと歌声の美しさで魅せた“Caffeine”や、秋山の歪みまくったギターの音色とファルセットの響きの良さにあらためて引き込まれる“ホットバニラ・ホットケーキ”と続き、秋山黄色というアーティストはアレンジの奥深さを追求する優れたコンポーザーであることを実感させられる。画面越しの視聴者に向けて「みなさんは持ち得るデバイスで出せる限りいちばんデカい音で聴けということで。僕は持ち得る限り、いちばんデカい音で演奏して歌います」と呼びかけたあとに始まったのは“PAINKILLER”のイントロダクション。そこに重なる秋山のギターの生々しさに、言われたとおり素直に音量を上げてみる。予測不能な展開と構造を持つこの楽曲のこの日の「ライブ演奏」は、世の中にある様々な軋みを映し出しながら、自身の痛みさえも俯瞰して笑い飛ばしてしまうような、文字通り秋山流の「ペインキラー」として響いた。やさしく寄り添うような楽曲ではない、むしろ劇薬としての響きを持つ曲になぜか癒される──そうした楽曲の在り方こそが秋山黄色というアーティストの本質であるのだと気づかされる演奏だった。そしてワウペダルを踏み込んだギターサウンドが疾走し始めると “ナイトダンサー”のめまぐるしく押し寄せる展開に、抗いようなく引き込まれていく。《走れば走るほど世界が僕を一人にするけれど》という歌詞などはこの日のライブの構造にもシンクロして、あらためて秋山のサウンドアレンジは、表現する歌のテーマと緻密に連動していることにも驚く。ラストは“夢の礫”。ピアノサウンドに合わせて歌う秋山の歌声。その繊細な美しさが放つ余韻も格別だった。


yama
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●セットリスト
01.血流
02.あるいは映画のような
03.麻痺
04.一寸の赤
05.a.m.3:21
06.ブルーマンデー
07.ランニングアウト
08.天色
09.春を告げる


どこまでも透き通るような、伸びやかで美しい歌声に恐ろしいほど引き込まれたライブだった。トレードマークとも言えるオーバーサイズのパーカーに身を包んだyamaが、バンド編成で生で歌い上げる楽曲たちは想像していた以上に有機的に響いて、匿名性の高いその存在の奥にはシンガーとしての確かなエモーションが宿ることを感じさせた。1曲目、“血流”では音数の少ないバンドサウンドがyamaの歌声の端正な輪郭を描き出す。その唯一無二の歌声にあっという間に耳が奪われていく。LEDに映し出される歌詞を目で追いながら、歌が描き出す景色に没入していけるのは、このオンラインライブならではだが、yamaの歌世界の表現と、このライブの在り方は非常に相性がいいと感じられた。シンセリフが心地よいグルーヴを誘う“あるいは映画のような”では映像にMVのアニメーションが随所に織り込まれ、小気味よいテンポ感が視覚的に増幅されることもあり、yamaの歌声のしなやかさがさらに際立つ。そして疾走するバンドサウンドと叙情的なメロディに乗せて歌う“麻痺”に感じた繊細な感情の揺らぎが、音源とはまた違う風景を映し出していく。“一寸の赤”が想起させるノスタルジックな風景も、ライブならではのオーガニックなR&Bサウンドと、生身のyamaの歌唱があるからだろう。素晴らしい。決して感情を爆発させて表現するタイプのシンガーではないし、歌で「自分」を表現するアーティストでもない。ある意味、歌世界を表現するためにできる限り自己を消すことを是としてきたのがyamaだと思う。しかしライブでは徐々に楽曲に自身の感情や気分が反映されていくのか、その表現の変化は繊細ながら、歌はより豊かな響きを携えていく。スタンドマイクを握りしめ直立で歌う声が、素晴らしいアンサンブルを響かせるバンドの音に後押しされ、少しずつ色彩を帯びていくのがわかる。“ブルーマンデー”のダークな世界観も、“ランニングアウト”の胸をチクチク刺すような感覚も、より「生」を感じさせる歌声で表現されて感情を揺さぶるのだ。“天色”の美しさも音源以上の体温を持って響き、その切なさはぐっと深みを増した。ラストは再生回数が1億回を超すバイラルヒットとなり、yamaの名を多くの音楽ファンに知らしめた“春を告げる”。このグルーヴィーなポップソングにもまた、ライブならではの有機的なエネルギーが宿っていた。全9曲、MCなしで歌い切ったyama。その歌声の魅力と進化を存分に味わえるライブだった。


DAY3/11月23日(火・祝)

KEYTALK
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●セットリスト
01.MATSURI BAYASHI
02.パラレル
03.大脱走
04.BUBBLE-GUM MAGIC
05.MURASAKI
06.Orion
07.Love me
08.宴はヨイヨイ恋しぐれ
09.MONSTER DANCE


2020年11月の初開催から、今回で3回目となるJOF。今回の最終日に出演したKEYTALKとBiSHは、いずれも過去2回の開催時にも出演している、いわば「皆勤賞」のバンド。KEYTALKからこの日のオンラインライブはスタートした。1曲目の“MATSURI BAYASHI”からいきなりのトップギアだ。八木優樹(Dr・Cho)の16ビートが心地よく響き、和製のグルーヴに一気にテンションが上がる。四面のLEDに映し出されるのはポップな祭りのイメージ映像。首藤義勝(Vo・B)のスラップベースも冴え渡り、メンバーの眼前には満員のフェスの景色が広がっているかのようなライブ感。小野武正(G・MC・Cho)のカッティングのキレも最高。これぞKEYTALK。百戦錬磨の貫禄。ワンマンでの配信ライブも積極的に展開していたバンドだけに、セットリストの組み方も、画面の向こうの観客の乗せ方も、すべてがよく練られている。トークタイムも心得たもので、拍手や笑い声のSEを駆使し、無観客の環境をKEYTALKならではのやり方で思い切り面白がっている。その空気が画面越しにも伝染して、まるでその場にいるような親密さを感じた。さらにこの日は演奏するすべての楽曲に合わせて、それぞれに事前に映像を作り込んできたという用意周到ぶり。“パラレル”の強靭かつ速いテンポのギターリフとリズムの展開に合わせるような、スピーディーに切り替わる映像演出には、さりげなく当フェスのロゴも差し込まれて心憎い。セットリストはフェスモードの鉄板曲に加えて、最新アルバム『ACTION!』からの楽曲も組み込まれていたのがまた嬉しい。“大脱走”ではバンドサウンドのさらなる成熟を感じさせ、寺中友将(Vo・G)のメロウな歌声で始まる“Orion”はスウィングするスウィートポップで新たな景色を見せてくれた。そしてクライマックスは“宴はヨイヨイ恋しぐれ”。KEYTALKの祭りソングを最強にアップデートしたようなこの曲は、ハンドクラップやダンスのタイミングを気持ちよく共有できるKEYTALKの原点回帰的な楽曲でありつつ、この日のライブでは疾走感の中に太いグルーヴが貫かれて、よりフィジカルに訴えかける素晴らしいアンサンブルを生み出していた。そしてラストはもちろん“MONSTER DANCE”。「今」のKEYTALKが鳴らす洗練された音像を、オンラインだからこその視点で存分に堪能することができた。“MONSTER DANCE”は歌い継がれ、踊り継がれるフェスソングとして、これからも愛され続けていくことだろう。


BiSH
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●セットリスト
01.My landscape
02.BiSH-星が瞬く夜に-
03.CAN WE STiLL BE??
04.ZENSHiN ZENREi
05.FREEZE DRY THE PASTS
06.in case...
07.DA DANCE!!
08.I have no idea.
09.STAR
10.プロミスザスター
11.beautifulさ


KEYTALKに続いて、こちらもJOF皆勤賞のBiSHの登場。センターにアイナ・ジ・エンドが立ち、5人は白い波が静かに満ち引きする映像の上で横になっている──というフォーメーションで始まった1曲目は“My landscape”。前衛的でシアトリカルな動きを魅せながら、ひとりずつソロで順に歌をつないでいく。この日のライブはセントチヒロ・チッチがセレクトした映像、ダンス、演出で進行するセットリスト。全11曲、それぞれの歌のテーマをより際立たせるような、スタイリッシュで強烈な映像演出やダンスから目が離せなかった。2曲目の“BiSH-星が瞬く夜に-”は、曲が進むにしたがって、どんどん歌がエモーショナルになっていく。《行かなくちゃ 化け物だって 気にすんな》と歌う歌が、《果てのない問いかけに/立ち向かって 化け物たちは/ここまできて》と歌う “CAN WE STiLL BE??”に続いて、6人の手が瞬間重なり合いながら、一人ひとりがまた歌を紡いでいく。リンリンの絶叫、アユニ・Dの咆哮、そのエネルギーをさらに解放するように続くのは“ZENSHiN ZENREi”。ハードコアで不穏なサウンドに身をまかせるように、清々しいまでにエキセントリックな歌が響く。しかしこの日特に配信ならではのディープな世界を表現したのは“FREEZE DRY THE PASTS”だった。椅子に腰掛けたリンリンが、その前に座り込むアイナの髪を手で弄び、どこか猟奇的な空気を漂わせる。ノイズのように混沌とした映像、洪水のように空間を満たすサウンド、ヘヴィなデスボイス──圧倒的狂気の世界が立ち現れる。BiSHだからこそ表現し尽くせる世界だ。そして配信ライブだからこそ可能な演出とカメラワーク。新たな「表現」が生まれた瞬間を観たような気がする。モモコグミカンパニーのポップな歌声で再び世界が明るく開けたように始まる“DA DANCE!!”との振れ幅の大きさにもやられた。ストレートなポップロックチューンに乗る力強いユニゾンで始まる“I have no idea.”では、ハシヤスメ・アツコがエアギターでシャープに楽曲を締める。カメラの動きを計算した表情、視線、動きだった。終盤の“プロミスザスター”は、いつにも増して切実に胸に刺さり、ラスト、“beautifulさ”のイントロへとつながると、チッチが「また会える場所で、どんなところも、みんながいる場所は私たちの大好きな場所です。強く生きててね」と画面越しのメッセージ。疾走感溢れるサウンドに乗せて、6人それぞれにつないでいく歌が、とても力強く美しかった。(杉浦美恵)


もう一度見たい方や当日ご覧になれなかった方に向けて、 11月29日(月)15:00までアーカイブ配信を行っています。期間中何度でも視聴可能です。アーカイブ配信のみのご視聴でもチケットをご購入いただけます。チケットの受付期間はクレジットカード決済の場合11月29日(月)9:59まで、コンビニエンスストア決済の場合11月26日(金)17:59までとなっています。

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