熱いパンク魂とスタイリッシュな佇まいを兼ね備えるアルカライン・トリオが、またしてもかっこよさに唸る新作を作り上げた。10年の『ディス・アディクション』は全米チャート初登場11位で自己記録を更新し、翌年には15周年を記念するアルバム『Damnesia』がリリースされるなど、ますます勢いに乗る彼らの成熟がサウンドから伝わるアルバムだ。プロデューサーにディセンデンツのビル・スティーヴンソンを迎え、骨太なビートと哀愁を帯びたメロディの絶妙な絡みに磨きがかかり、マット・スキーバのヴォーカルもクールなトーンに宿る情熱と切なさの深みが増している。他にはないこの渋さが彼らの魅力だ。マットが「俺達はコミュニティの中にコミュニティを持っている」と言うように、ファンからもバンド仲間からも支持されシーンの中で確かな立ち位置を手にしている彼らだが、そろそろカルト・バンドからメインストリームへと脱皮を図ってもいいんじゃないかと思ってしまう。アメリカでは本作と同時に4曲入りEPがリリースされていて、それが日本盤では全曲ボーナス・トラックとして収録されているのが嬉しい。(網田有紀子)