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星街すいせいの歌には、人の心を揺さぶる力がある。ディーバと呼ぶに相応しい繊細な表現力と凛としたその声は、音楽に確かな意思を宿す。歌詞はクリアに耳に飛び込んできて、楽曲が何を訴えようとしているのかダイレクトに響かせることができる。メッセンジャーとしてあまりに有能だ。その類いまれな実力をもってして、バーチャルシンガーという存在に向けられる偏見さえも越えてきた。だからこそ、この新曲には意表を突かれた。メッセージ性よりも、リズムや語感を重視した英語中心の歌詞。彼女の長所を活かしきれないのではないかと聴く前は思ったが、完全に杞憂だった。リスナーを踊らせるトップラインを主導し、「最も華やかな楽器」としての役割を見事に果たしている。《Chewy little gummy gummy》の軽快なリフレインから、シームレスかつ艷やかにAメロに移行する鮮やかなコントラストは、彼女にしか演出できないだろう。星街すいせいに歌いこなせない曲などないと、平然と証明してみせた。(有本早季)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年10月号より)軽快なリズムが証明する、歌姫の鮮やかな新境地
星街すいせい『GUM & DROP』
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