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主演映画『キリエのうた』のロケ地のひとつが仙台だったという縁で、9月から10月にかけて仙台市営バスや地下鉄でアイナ・ジ・エンドのアナウンスが流れていた。仙台在住なので何度も聞く機会があったのだが、彼女は「音」として魅力的な声色に頼らず、ここを伝えたい!という言葉をはっきりと発するように努めているということに気づかされた。きっとそれは、歌においても同じで、今回の“華奢な心”を聴いても、そう感じた。Netflixリアリティシリーズ『韓国ドラマな恋がしたい』主題歌となっている、ビターチョコレートのような彼女の声色にぴったりな、甘くゆったりとしたラブバラード。《まどろみ》という歌詞が似合う、身を委ねたくなる歌声の中で、《華奢な心の私は/高鳴り止められない》というサビがカッ!と立って聴こえてくる。そこから、心地よさに留まらないエモーションが溢れているのだ。作詞のセンスも相まって、人として、表現者としての真摯な姿勢と、それによって滲み出てくる人柄が感じられる。(高橋美穂)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年1月号より抜粋)
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