シンディ・ローパー、最愛の日本でフェアウェルツアー! 「自分らしさ」を体現するオリジネイターとして、その心境を余すところなく語った最新インタビュー

シンディ・ローパー、最愛の日本でフェアウェルツアー! 「自分らしさ」を体現するオリジネイターとして、その心境を余すところなく語った最新インタビュー

現在発売中のロッキング・オン5月号では、シンディ・ローパーのインタビューと映画『シンディ・ローパー:レット・ザ・カナリア・シング』&サントラレビューを掲載!
以下、本インタビューの冒頭部分より。



「『本物のアーティストになりたいなら、痛い目に遭っても前に進まないと』って、自分に言い聞かせてきた。私が育ったところでは、痛い目に遭っても、髪をきれいに整えて、戦線に復帰するの」


シンディ・ローパーはアリソン・エルウッド監督の新作ドキュメンタリー映画『シンディ・ローパー:レット・ザ・カナリア・シング』で主人公となった。これは虐待を繰り返す継父に苦しめられた恵まれない幼少期から、ニューヨークの音楽シーンでバンドを渡り歩いた時期を経て、今やフェミニストアンセムとなった大ヒット曲“ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン”をリリースし、今も現役で活躍するシンディの足跡をたどる作品だ。最近では、社会活動家、そして数々の賞を受賞したミュージカルの作者としても知られるようになり、71歳になった2024年、彼女は重要なターニングポイントを迎えている。英国ではロイヤル・アルバート・ホールでの公演をソールドアウトにし、グラストンベリー・フェスのステージに立ち、さらに年内に最後の世界ツアーをスタートさせる。このツアー後も何回かライブをやる可能性はあるが、アリーナを回るツアーはこれが最後だという。

シンディはニューヨークのクイーンズで育った。アパートメントの階上には、祖父とシチリア島にルーツを持つ祖母が暮らしていた。父親は船会社の事務員で、母親はウエイトレスだった。シンディが5歳になる頃、両親は離婚する。その後母親が再婚した相手は、暴力的な男だった。怒りを爆発させると、シンディや姉をレイプすると脅すこともあったという。10代になった頃、この継父が鍵穴から入浴中の自分を覗いているのを目の当たりにした彼女は、まもなく実家を出た。この時持ち出したのは生活に最低限必要なもの――歯ブラシに替えの下着、リンゴ、そしてオノ・ヨーコによる人生訓とドローイングからなる書籍『グレープフルーツ』――だけだった。特にその本は、「アートを通じて人生を眺める、私にとっての窓のような存在になった」と、シンディは綴っている。

実家を出たシンディは姉とともにロングアイランドで暮らし、スパゲッティで腹を満たし、短期の仕事を転々として何とか生活していた。数年にわたるあてどない暮らしの末にいくつかのバンドに加入し、地元のクラブで歌い始めた。ブルー・エンジェルというバンドでレコード契約にこぎつけた時、彼女はもう30歳手前だった。このバンドはあまり売れず、シンディは契約していたレコード会社からソロ転向を促された。彼女は当初、このアイデアに難色を示しながらも最終的に受け入れたが、元マネージャーと法廷で争うことになり、自己破産を余儀なくされた。とはいえ非常に貧しかった当時の彼女にとって、失うものはそれほど多くはなかった。この件を担当した裁判官は、シンディの主張を認める判決を下し、その際に「レット・ザ・カナリア・シング(そのカナリアには歌わせなさい)」との言葉を残した。これは今回のドキュメンタリー映画のタイトルにもなっている。

 シンディは音楽業界の幹部とたびたび衝突してきた。もしもっと聞き分けが良かったなら、違ったキャリアを歩んでいただろうか? 「ええ、たぶんそうだったでしょうね。でもそれだと、今の自分もなかっただろうし。短期的には、そっちのほうが楽だったかもしれないけど、私は学びたかった。それに、正直に言えば、私はいつもすばらしいアーティストになりたかった。それだけ」
 
自叙伝の中では、80年代の音楽業界は身の毛がよだつほどの性差別がまかり通っていたと描かれている。そう指摘すると、彼女は笑う。「今は性差別がないと思っているわけ?」。ジーンズとTシャツを着るように言われたこともあったという(それでも、彼女はTシャツを破き、チェーンをつけるという、いかにもシンディ流のアレンジを試みた)。「部屋に入ったらそこにいた男が、私を上から下までなめるように眺めて、おっぱいと顔に目をやってニヤリと笑う、なんてこともあった。あれは本当に気持ち悪かった」。コメディ映画などで役をもらい始めた頃には、あるプロデューサーが、彼女がどれくらい「ファックしやすいか」と大声で話しているのを耳にする機会もあった。

(以下、本誌記事へ続く)



シンディ・ローパーの記事の続きは、現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

シンディ・ローパー、最愛の日本でフェアウェルツアー! 「自分らしさ」を体現するオリジネイターとして、その心境を余すところなく語った最新インタビュー
rockin'on 編集部日記の最新記事
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on