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“うっせぇわ”での鮮烈なデビューから約4年。圧倒的な濃さで描かれたAdoの軌跡を体感するベストアルバムである。新曲も含めた全40曲。改めてその歌表現の自在さには惚れ惚れする。各楽曲にクレジットされているクリエイター、コンポーザーの名前を眺めながら聴いていくうち、やはりAdoが歌うからこそ、それぞれのアーティストはリミットなし、手加減なしのソングライティングを楽しめていたのだろうと実感させられる。Adoの歌唱が生歌ポップスの限界を押し広げたと言っていいだろう。今作には3月に配信されたばかりの“わたしに花束”だけでなく、新曲“ロックスター”も収録される。これは“FREEDOM”でもタッグを組んだボカロP、jon-YAKITORYの手による楽曲だが、《I'm a rock'n'roll star》という歌詞を、これほどの強い説得力でもって歌えるシンガーが、今日本に何人いるだろうかと考えてしまった。楽曲の数だけ「Adoである必然」を思い知らされる。「全部、勝負曲。」というキャッチコピーに偽りなしである。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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