解散以降のスミスの評価は、新世紀に入ってから、より高まっているといえるだろう。新世代バンドからのリスペクトが堂々と語られ、この「暗く内向した80年代を代表するバンド」は、その屈折した詞のみならず、音楽的にも再発見され、いまではいわゆる「殿堂入り」の永遠性まで獲得したかのようである。
けれど、周りの評価が高まれば高まるほど、このバンドの表現した、イタい孤独の有様について思いを馳せずにはいられない。誰かに出会うためにクラブに行く。楽しそうに踊っている人たちを眺めて、いつしか時間だけが過ぎていく。そしてやっぱり、今日も独りで部屋に帰る。君は泣く。そして、死にたくなる――。
ぼくは、過日、この一節に射抜かれたままだ。この情景は、その後の自分がどう変わっていようと、すぐそばにある。なんなんだと思いながらも、そこにあるのだ。(宮嵜広司)