またスミスが聴ける

ザ・スミス『ザ・ベスト〜サウンド・オブ・ザ・スミス〜』
2008年11月26日発売
ALBUM
ザ・スミス ザ・ベスト〜サウンド・オブ・ザ・スミス〜
RO69のブログを読んでくれた方から、「宮嵜さんて、もしかして毎日スミス聴いてるんじゃないですかあ?」とちょっとにやけ気味に訊かれるときがある。確かに、始めたブログで一番紹介してきたことは認めよう。でも、冗談じゃないと思う。まるでスミス以外は聴いてないかのような偏見は失礼である。ぼくだって人並みに忙しいし、聴いてない日だって、もちろんあるのだ。ただ、誤解のないように言っておくと、考えなかった日は一日足りともない。スミスのことを思ったり思い直したり思い返したりしないまま、次の日の朝を迎えたことなど、このバンドのことを愛している自分に気づいてからはただの一度もないのだ。

解散以降のスミスの評価は、新世紀に入ってから、より高まっているといえるだろう。新世代バンドからのリスペクトが堂々と語られ、この「暗く内向した80年代を代表するバンド」は、その屈折した詞のみならず、音楽的にも再発見され、いまではいわゆる「殿堂入り」の永遠性まで獲得したかのようである。

けれど、周りの評価が高まれば高まるほど、このバンドの表現した、イタい孤独の有様について思いを馳せずにはいられない。誰かに出会うためにクラブに行く。楽しそうに踊っている人たちを眺めて、いつしか時間だけが過ぎていく。そしてやっぱり、今日も独りで部屋に帰る。君は泣く。そして、死にたくなる――。

ぼくは、過日、この一節に射抜かれたままだ。この情景は、その後の自分がどう変わっていようと、すぐそばにある。なんなんだと思いながらも、そこにあるのだ。(宮嵜広司)
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