復活ツアーがスタートし、アイルランド・ダブリン公演まで終了。いよいよ大西洋を渡り北米へ──そのタイミングでノエル・ギャラガーがオアシス再結成後、初めて公の場でインタビューに応じた。出演したのはフットボールを主に扱う番組『talkSPORT』。その冒頭で、オアシス再結成について率直に語っている。
カーディフ公演のステージに立つ直前の心境から、初日の終演後にリアムと交わしたハグのことまで、ファンが知りたいことを聞いてくれている他、ノエルは、「2曲目でもう足がガクガクになっていた」「リアムと同じバンドに戻れて嬉しい」など、彼の率直な気持ちが語ってくれている。ここでは、そのオアシス再結成についての部分を翻訳した。
ーーこんにちは。お元気ですか?
「ダブリンから戻ったばかりで、今はちょっとクラクラしてる」
ーー何時に終わったんですか?
「永遠に続く長い夜だったよ。でも、どこかで切り上げて飛行機に乗って帰らなきゃならなかったんだ。歌って、飲んで、バカ話して……まあ、いつものことさ」
ーー有名なパブに行った映像が投稿されていましたが。
「ああ、そうだな。なかなかの夜だったよ(笑)」
ーー今、人生を楽しんでますか?
「ああ、最高だよ。世界の頂点に立ってる気分だ。これ以上なんてないね」
ーーカーディフで拝見して、さらにウェンブリーでも見ましたが、どちらも本当にあり得ないくらい最高でした。これだけ絶賛されて、ご自身でも驚いていますか?
「マジで圧倒されたよ。みんなそう感じてると思う。正直、言葉にするのは難しいんだ。だって毎晩、観客にとっては“初めての夜”だからな。分かるだろ? どの夜も同じ熱気に包まれているんだよ。だから本当に最高だ。俺が言葉に詰まるなんて滅多にないけど、今は本当にうまく言い表せないんだ」
ーーカーディフで拝見しましたが、ステージに上がる直前の5分前、どんな心境でしたか? 僕ら観客も、本当にこんな日が来るなんて、想像もしていませんでした。
「俺たちは、ステージに出る前に円陣を組んだりするタイプのバンドじゃないんだ。他の連中のことは知らないけど、俺自身は正直、完全に甘く見てたよ。始まって5分くらいで思ったんだ──“ちょっと楽屋に戻って仕切り直せないか?”ってさ。スタジアムでやったことはこれまでにもあるけど、それでも2曲目の半分あたりで足がガクガクになったんだ。だから正直、一度楽屋に戻って一息つきたかったくらいだった……。でもさ、いや、本当にすごいことだよ。マジで最高」
ーーこれから訪れる中で、特に楽しみにしているスタジアムはありますか?
「楽しみにしているのは、ブエノスアイレスのエスタディオ・リーベル・プレートだね。11月で、ツアーの最後から2番目のショーになる。そこで何度か演奏したことはあるんだけど、ブエノスアイレスの観客は、これまで俺たちがやってきた中でも間違いなく世界トップ5に入る。しかも、アイルランドやマンチェスターから最も遠い場所の一つなのにね。だからみんなリーベル・プレートでのライブをすごく楽しみにしているんだ。俺たちにとって特別な場所だから」
ーー最初のライブの終わりに、リアムとあなたがハグしていました。あの時どれくらいエモーショナルになっていたのでしょう?本当に感動しているように見えました。
「うーん、俺たちはそういうタイプじゃないんだよ。わかるだろ? ただ、またボーンヘッドやリアムと一緒にやれてるのが最高なんだ。結局のところ、すべてが終わったときに振り返るんだろうけど……今はただ、リアムと同じバンドに戻れたことが嬉しい。あいつがどれだけ面白いやつだったか、すっかり忘れてたよ」
ーーみんなリアムの声が素晴らしいと言っていますが。実際そうですよね。
「あれはAIだよ」
ーー(笑)あなたの声だって素晴らしいです。多くの人はあまり語りませんが。
「まあ、俺はソングライターが本業で、実際そんなに歌ってるわけじゃない。だけどリアムは圧倒的なパフォーマンスを見せていて、俺は誇りに思うよ。俺もこの16年間ずっとバンドのフロントマンとして歌ってきたから、これがどれだけ大変なことが分かるんだ。俺には彼みたいに、あんなスタジアム規模のことは絶対できないと思うし、それは俺の性分じゃない。だからふと周りを見渡すと、『よくやってるな、さすがだよ』と心から思うんだ。あいつは本当にすごいよ」
ーー最後の質問です。この後はフットボールについて伺います。このツアーはネブワースでも開催されるのでは、という声もありますが、ツアーの終わりについて今どのように考えていますか?
「フットボールの話にしよう」
ーー(笑)
ーーでは、ここから次はどこへ?
「金曜日にトロントに行って、そのあと1か月近くアメリカを回る。それからメキシコに行って、またウェンブリーで2公演やって、日本とオーストラリアに向かう予定だ」
ーーやっぱりチケットをくれって頼まれますか?
「まあ、ある程度は予想できるよ。例えばエディンバラ公演の1週間前もそうだった。向こうにスコットランドの友達が何人かいるんだけど、まだチケットを取ってなかったんだ。で、直前になって慌てて探し始めてさ。面白いのは、最初にチケットが売り出された時、“絶対買うだろ”と思ってたやつらが買わなかったりしてさ。ところが初日のライブが終わった途端、俺の携帯は鳴りっぱなしになった。みんな迷ってたんだろうけど、映像をネットで見て一気に殺到したんだな。
もちろん、できるだけ多くの人に見てもらおうとしてるけど、正直まだ観られていない人が大勢いるのは残念だ。だけど会場の外で何千人もが歌っていたり、街全体が熱狂してたりして──本当に信じられないようなことが起きてるんだ。オアシスってのは、ただの曲以上の存在で、そこには俺たち自身もうまく言葉にできない“何か”があるんだよ」
ーーネブワースでやってくれれば、もっと多くの人が見られるんですがね(笑)。
「ああ、そんな予定あったっけ?」
ちなみに来年の8月10日は、96年にオアシスがネブワースで歴史的なライブを行ってからちょうど30周年にあたる。