追悼 チャーリー・ワッツ(1941-2021)。確かなテクニックと懐の深い音楽性 ―― ザ・ローリング・ストーンズを支え、リードし続けた名手に捧ぐ

追悼 チャーリー・ワッツ(1941-2021)。確かなテクニックと懐の深い音楽性 ―― ザ・ローリング・ストーンズを支え、リードし続けた名手に捧ぐ - rockin'on 2021年10月号よりrockin'on 2021年10月号より

文=高見展

ザ・ローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツが8月24日に80歳で他界した。臨終はロンドンの病院で家族に見守られてのものだったというが、死の直接の原因は明らかになっていない。

ただ、ストーンズはコロナ禍で中断されていたノー・フィルター・ツアーを9月から再開する予定で、8月に詳細が発表された際には心臓の手術を受けるためチャーリーが同行できないことが判明していた。チャーリー側からは手術後の回復を期していることも明らかにしていた。ストーンズのツアーには、キース・リチャーズのソロ活動に長く関わってきたスティーヴ・ジョーダンが参加することも発表されていた。

来年には結成60周年を迎えるストーンズだが、そもそもストーンズの成功にはチャーリーの存在が不可欠なものだった。もちろん、それをいうならメンバーの誰一人として不可欠だったことは間違いないが、ストーンズはアメリカのR&Bとロックンロールをイギリス側から再解釈していくビート・ロック・ブームの中で頭角を現したバンドで、その成功にはチャーリーのあまりにも確かなドラム・パフォーマンスはなくてはならないものだった。

それはザ・ビートルズがデビュー契約にこぎつけながらも、それを実現させるために、ピート・ベストを追放し、すでに名うてのドラマーだったリンゴ・スターを引き抜いてこなければならなかったのと同じで、プロとしてすでに活躍していたチャーリーは、ストーンズがストーンズとして成立するための最後のピースだった。

もともとチャーリーがジャズ・ミュージシャンを目指していたことはよく知られているし、実際、自身のジャズ・コンボを率いての来日経験もある。しかし、ミュージシャンとして生計を立てる前にはグラフィック・デザイナーとして活躍していて、やがてはアレクシス・コーナーのブルース・インコーポレイテッドに加入するなど、ロンドンのブルース・シーンに関わっていくことになる。

そして、アレクシス・コーナーが縁となって、ストーンズの核となるブライアン・ジョーンズ、キース・リチャーズ、ミック・ジャガー、イアン・スチュワートらと出会っていくことになる。(以下、本誌記事に続く)



チャーリー・ワッツの記事は、現在発売中の『ロッキング・オン』10月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

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