フリート・フォクシーズが、12月21日にブルックリンの教会からライブ配信をする。そして現在、その予告編的に、テレビで披露したライブ映像を公開している。
この教会からのライブ配信は、12月21日に行なわれるが、24日までは視聴することができる。
この曲“Can I Believe You”は、フリート・フォクシーズがこれまで書いたこともないような、まるでノエル・ギャラガーが歌い出しそうなロック・アンセムと言える曲でびっくりした。実はインタビューした時にこの曲が出来た経緯を訊いた。
ロッキング・オン12月号にはスペースの関係で掲載できなかったのだが、以下がロビン・ペックノールドの答え。
●“Can I Believe You”は、ほとんどノエル・ギャラガーでも歌い出しそうな、これまでのフリート・フォクシーズにはなかったロック・アンセム的な曲だと思いますが、どのように出来たのですか? また、ここで言う「君を信じていいのか?」という君=Youとは誰ですか?
「この曲は『Crack-Up』ツアーをしている時に書き始めた曲で、今君が言っていたような理由で書いたんだ。本当にそういうロック・アンセム的な明瞭な曲が書きたかったんだよね(笑)」
●(笑)。
「というのも、そのツアーがあまりに複雑で、毎晩ものすごいエネルギーを使い切るようなライブだったんだ。そのツアーの最中に、控え室で、いつも(歌い出す)『♪Can I Believe You?』ってヘッドバンギングしながら歌って、楽しもうとしていたんだよね。だからこの曲はちょっとバカっぽい感じでもあるけど、でも良い曲にできると思えたから、そのまま作り続けて、歌詞を考えたんだ。それでこの歌詞における『You』というのは、人を信頼できるのか?ということについて語っている。それは人が信じられないからではなくて、時にそんなに簡単に信じてはいけないと思うからだ。
それから、少しだけど、『You』というのはバンドのファンに向かって言っている部分もあるんだ。『僕の曲を良いと言ってくれた、君達を信じてもいいの?』というようなね。その関係性に対して心の平穏を見出して、ファンからの褒め言葉を素直に受け止めたかったというかね。
それから信頼関係という意味で僕が学んだのは、僕がその人達といて自分らしくなれた時に、その人を信じられるということ。自分自身がその人達といる状況に慣れて、それでその人達を信頼できるというかね。
だからそういう歌詞を考えて、ノエル・ギャラガーみたいな曲の中で歌うというのは面白いなあと思ったんだよね」
●(笑)なるほど。だからこの曲の中で、インスタグラムで集めた400人のファンの声を編集してハーモニーにして使ったんですね。
「うん、そうだよ」
このオリジナルのMVは、彼のお兄さんのショーン・ペックノールドが監督していて、信頼関係について描いている。
また、ロビンはこのインタビューの中で、ぐっとくるようなことをいくつも言ってくれている。そのうちのひとつは、
「この作品に自分の全てをかけていたとすら言えるんだ。だからこの作品が悪い作品になったら僕はもう音楽を辞めて違う仕事に就くしかないとまで思っていた」
と言っていたこと。このアルバムは、今発表されている各メディアの年間ベスト・アルバム・リストにも軒並み入る傑作だった。だから、本当に良かったなあと思った。 ここでコーヒー屋さんとかに転職されたら寂しすぎる。
https://rockinon.com/news/detail/196504
もうひとつは、エリオット・スミスが亡くなった時に、彼の写真にRIPと書いて250枚コピーして学校に貼りまくったと言っていたこと。この作品の実質上1曲目に当たる“Sunblind”でエリオット・スミスをはじめ、早く亡くなってしまったミュージシャン達の名前を彼が歌っている。そこに込めた彼の思いもこのインタビューの中で語っているので、もしまだ読んでなかったらぜひ読んでみてください。
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