フレデリックは今、そのキャリアにおいて何度目かの充実した季節を迎えている。彼らは音楽性もキャラクターも、この10年間のJロックの中で独特なポジションを獲得していた。時代の趨勢とはある意味無縁な形で、極めてオリジナリティーの高いポップチューンを量産し続けてきたフレデリックの立ち位置は、前作リリースから約1年半の間でシーンの中央に移動しつつあると思う。より一対一になるためにはどう音楽を作っていくべきなのかとか、フレデリックがどういう音楽をやっていくべきなのかみたいなことに、すごく向き合った1年半だった
新作『CITRUS CURIO CITY』はその造語からなるタイトルの通り、彼らの好奇心によって作られた8つの楽曲が集まって「街」を形成している。その「街」こそが2024年末のフレデリックの現在地だ。彼らが今持つ好奇心は、歌詞にもメロディにもアレンジにもとても攻撃的な形で反映されている。
前作リリース後に生じた健司の療養も、康司のソングライティング期間として、4人がバンドの有り様を再確認する期間として、プラスに作用したことがこのインタビューで語られている。なぜフレデリックはここまで確信を持って自由に濃密な音楽を作ることができたのか。4人にしっかり話を聞いた。
インタビュー=海津亮 撮影=三川キミ
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年1月号より抜粋)
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