ゲスの極み乙女は結成された時からずっと「踊れる」バンドだった。彼らの音楽はいつもみんなの心をグサグサ射抜きながら、その身体を踊らせ続けてきた。そんなゲスが4年ぶりにリリースするニューアルバムが『ディスコの卵』である。「卵」というのがどういうことかは以下のインタビューを読んでもらうとして、「ディスコ」=「踊る」という根本的テーマを真正面に据えた今作は、だから、ゲスの極み乙女というバンドの本質論というか、ゲスの極み乙女という「人生」を歌うものになった。ソリッドに磨き上げられたサウンドがぶつかり合いながら生々しく鳴っている。シリアスなだけでもないが、外連味だけでもない。歌詞に込められた川谷の人生観はディープだが、それを支えるバンドの演奏はとても人間的で熱い。多忙を極める4人でこのバンドを続けている意味を、今作の手触りは教えてくれている。10年以上やってて、あんまりゲスの極み乙女みたいなバンドっていないなって。自分たちにしかできないことってやっぱりあるなと思った
インタビュー=小川智宏 撮影=Miss Bean
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年7月号より抜粋)
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