まもなく、約4年ぶりとなる来日公演を行う10cc。
『ロッキング・オン』2月号では、そんな来日公演を目前に、バンドのオリジナル・メンバーでもあるグレアム・グールドマンに「10ccの10曲」と題したテーマについて答えてもらったインタビューを掲載している。
インタビューでは、グレアム自身が「誰かに演奏して聴かせたい曲」として挙げた“The Dean And I”について以下のように語っている。
(中略)この曲にはウィットがあり、ユーモアがあり、優れた歌詞があり、美しいメロディがあり、素晴らしいハーモニーがあり、美しく作られた曲で、僕はものすごく気に入ってるんだ。最初にケヴィンとロルに聴かせてもらった時から好きだったよ。
(中略)10ccはシングルをリリースするたびにまるで違うバンドのように聴こえるし、一貫性というものがないんだよ。まあ、それがバンドの足を引っ張ってたかもしれないけど、とにかくこのバンドの場合は、いつも同じギター・サウンドといったものがないわけ。
クイーンの場合は常にフレディのボーカルにブライアン・メイのギターで、聴けばクイーンだとはっきりわかるけどね。僕たちの場合は、その時々でそれぞれの役割に一番適しているメンバーが曲を受け持つから、結果的に3曲ナンバー・ワン・シングルがあっても、3曲ともシンガーが違うということも起こるわけ(笑)。
さらに、日本でもCMソングとして起用されるなど馴染みの深い“I'm Not In Love”については、楽曲の制作過程を振り返りつつ、以下のように答えた。
この曲はかなり時間がかかった。というのもコーラスの部分も多かったし、曲がどんどん成長していったから、一体どんなふうに完成するのか自分たちでもよくわからなかったんだ。
あの合唱部分を録った時、ひとつ音を重ねるたびに「ワオ、すごくいいじゃないか」となって、さらに重ねると、「ファンタスティック!」となったね。すごくいい曲だと確信したよ。自分たちが何か素晴らしいものを作ったということがわかったんだ。
そして、ファンの中でも特に人気のある“The Things We Do for Love(愛ゆえに)”では、同楽曲の感想と合わせて、グレアム自身の音楽制作における心得のようなものも語られている。
実際はかなり複雑で、まるで3曲を1曲に収めてしまったような曲なんだよ。すごくうまくいったと思うし、確か僕たちにとってはアメリカでの最大のヒットだったんだ。
(中略)曲自体がプロデュース方法を決めるし、作り手は曲によって導かれて、ここはこうすべきだとか、ここにちょっとギターを入れた方がいいんじゃないかといったことを判断するわけだよ。曲を聴いて、その曲が何を必要としているかを感じ取るんだ。
インタビューではその他、“Somewhere In Hollywood(ハリウッドのどこかで)”、“Good Morning Judge”などが生まれた経緯や、ツアーを重ねることでわかる楽曲の新たな良さなど、10ccの音楽の魅力について存分に語ってもらっている。
間近に迫った来日公演を前に、ぜひ『ロッキング・オン』2月号のインタビューにてバンドの魅力を再発見してみてほしい。
10ccのグレアム・グールドマンのインタビュー記事は現在発売中の『ロッキング・オン』2月号に掲載中です。
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