9月下旬以降、あちこちでアイアン・メイデンのTシャツを着用した人たちの姿をこれまで以上に頻繁に目にするようになった。それはいわば、去る9月22日から29日にかけて実施された彼らの8年ぶりの来日公演がいかに盛況だったかを伝えてくれる余韻のようなものでもあるわけだが、同時に、アイアン・メイデンがファンにとって「自分たちはこのバンドが好きだ!」と積極的にアピールしたくなる存在であることを物語っているようにも思う。
しかも今回のツアーでは、このバンドの80年代を原体験してきた長年のファンばかりではなく、初めて彼らのライブと向き合うことになったものとおぼしき世代の姿や、海外からの来訪者たちの姿も目についた。インバウンドの活況もその背景にはあるはずだが、「アイアン・メイデンを欧米のアリーナやスタジアムよりも親密な距離で観られる日本」というのは各国のマニアたちにとっても魅力的なのだろう。実際、このバンドには、国境を越えてツアーを観て回るファンがたくさんいるし、そうしたファン同士の繋がりにもとても強固なものがある。
ロッキングオン11月号には1985年の貴重なインタビュー記事が掲載されているが、12月号では今回のツアーの模様についてお伝えする。2025年5月には、結成50周年を記念して、初期9作からの楽曲のみを演奏するという『RUN FOR YOUR LIVES WORLD TOUR 2025/26』 と題された次期ツアーのスタートも決まっている彼ら。同ツアーでの日本での再会を信じながら、彼らの闘いを見守り続けようではないか。(増田勇一)
アイアン・メイデンの記事が掲載されるロッキング・オン12月号