ブライアン・フェリーにインタビューしたのでもう思い残すことはありません

ブライアン・フェリーにインタビューしたのでもう思い残すことはありません
デヴィッド・ボウイは亡くなってしまったから、もう僕にとってどうしてももう一度インタビューしておきたい人はブライアン・フェリーだけだ・・・と最近なんとなく思っていたところにボックスセットのリリースタイミングでのインタビューの打診が!
もちろん即刻セッティングして、40分じっくり話しを聞くことができた。1987年以来の37年ぶりのインタビューだから聞きたいことがありすぎて、ついつい思い入れの巨大な塊のような質問をぶつけてフェリー氏に見事にかわされるというありがちな展開になってしまった。

私「ロキシー・ミュージックはデビューアルバムからラストアルバム『アヴァロン』までの流れで見事にバンドとしての物語が表現されています。まるであらかじめデザインされていたかのようですね」

フェリー氏「アッハッハッハッ! いやいや、何もかもは、偶然の産物だよ! ハハハッ」


・・・もう、インタビューの最初から最後までクラクラしっぱなしだった。
ロキシー・ミュージックは実験的なアート・ロックから始まり、グラマラスな70年代ロック、ニューウェイブ的なモダンポップ、そしてアーバンなダンス・ロック、そして最後にはブラックミュージックのしなやかさと白人音楽の絵画的美しさが溶け合って洗練を極めたようなラストアルバム『AVALON』にたどり着いて解散した。一つのバンドが音楽的進化を最後まで全うして、見事に最高傑作を残してその物語を終えた最も美しい、稀有な存在がロキシー・ミュージックである。
初期にはブライアン・イーノも擁した強者バンド・ロキシー・ミュージックを率いて、さらにソロとしてもロキシー・ミュージック以上の人気を博し、いまだに現役でライブも制作も行っているブライアン・フェリー。ルックスもファッションもいまだに隙がないぐらいにクールそのものだ。
そんなフェリー氏だからさぞかし理知的に論理的にキャリアを進めてきたのだろうと思われがちではあるのだが、実は昔からフェリーさんは天然かつ職人気質な人で、そこは同じアーティスティックなカリスマであるデヴィッド・ボウイとは根本的にタイプが異なる。
でもそこがフェリーさんの魅力で、そんな魅力がたっぷり味わえるインタビューになったと思います!(山崎洋一郎)

掲載号はこちらhttps://rockinon.com/blog/rockinon/210810
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