椿屋四重奏@赤坂BLITZ

椿屋四重奏@赤坂BLITZ
椿屋四重奏@赤坂BLITZ - pic by 橋本塁pic by 橋本塁
今年8月に久々のアルバム『CARNIVAL』をリリースし、9月からアルバムを携えてスタートした長い全国ツアーのファイナル公演。実際のところは、11月に中田がインフルエンザを患ったこともあり、延期となってしまった公演が来年2月に残っているが「今日は忘年会も兼ねてやります!」と言っていたように、「CARNIVAL」=「祭り」を最高なものにするだけでなく、この1年を締めくくる総まとめのようなライブだった。

ステージ上部からぶら下がる真っ赤な緞帳はまるで大劇場のよう。そして、テントのようにステージを丸く囲むトラスはサーカス小屋をイメージさせる。アルバム『CARNIVAL』の象徴がそのまま舞台演出にまで生かされている。これから始まるショーに期待を膨らませたくさんのオーディエンスが群がるように集まってきた。赤坂BLITZ2Days公演は2日間ともにソールドアウトだ。

前アルバム『TOKYO CITY RHAPSODY』が「月」なら、今作『CARNIVAL』は「太陽」という対照的なイメージを持っていて、今日のライブではこのアルバムが持つ陽のパワーを余すところなく放出していた。たとえば、弾むようなリズムに導かれ、指揮者に扮した中田がドリーミーなコーラスでオーディエンスを煽動した“CRAZY ABOUT YOU”や《他には何もいらない 君が知りた い》と直情的に訴えかける王道歌謡ナンバー“太陽の焼け跡”など、目の前に訴えかけるだけでなく、360度全方向に開放するような開かれ方がまさに太陽そのものだったのだ。

MCではあまり多くを語らず、とにかく次々と駆け抜けて行くように曲を飛ばしていく。しかも、今回弾き語りや、バックがピアノオンリーの楽曲などは一切なし。最初から最後までが祭りのテンションで突っ走る。でも、オーディエンスはそれに頑張ってついて行くというよりかは、もう夢中にならざるを得ないという感じ。椿屋四重奏の繰り広げる祭りがもの凄い求心力となってすべてを巻き込んでいくと言った方が正しいような気がする。何を語らずとも曲を聴けば分かるでしょという感じ。それだけの説得力が曲に備わっているし、それを表現する4人のスキルも格段とアップしている。

ステージを這うようにしながら《下から眺める 君のプライバシー》と妖しく濃厚に頭上を見上げながら歌い上げる“シアトリカル”のような非日常的な世界観もあれば、アコースティック・ギターでナチュラルに本音を歌い上げる“空に踊れば”もある。女性目線で描かれた“シンデレラ”だったり、今までにありそうでなかった“LOVE CREATURES”のような王道ロックンロールなども本当に表現の幅が広がっていることを教えてくれる。そんな最新楽曲が連発される中、「懐かしい曲で全員道づれにしたいと思います!」と言って始まった“道づれ”のような初期の世界観もすべて引っ括めて枠を取っ払って並べた結果、見えてきたのは根底にある椿屋四重奏というバンドの核だったのだ。本当に彼らみたいなバンドは他を探してもどこにもいない唯一無二の存在だとつくづく思わされた。

予定上ではファイナル公演だったけど、振り替え3公演が残っているということもあり、あまり詳細に触れられないのが残念ですが、アンコール3曲の後、終わりを告げる場内アナウンスが流れたにもかかわらず、再びアンコールを求めるオーディエンスに応えてダブルアンコールもありました。あと、中田氏が一つ後悔していたことがあって、黒の上下スーツでビシッとキメて登場していたけど、オープニングからネクタイがスーツの外に出たままだったということ。映像も撮影されていたので、のちに映像になるときは「前半はカット!」と強く申しておりましたが、そんな映像も含めて、実は来年結成10周年を迎えるというアニーバーサリーイヤーでもある椿屋四重奏の動きから目が離せません!(阿部英理子)
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