【特集】まさに「青春」! セントチヒロ・チッチのキュレーションによる6年ぶりの「THAT is YOUTH!!!!FES」。熱狂と笑いに包まれた最高の一夜をレポート

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「THAT is YOUTH!!!!FES」は、もともとBiSHの活動中に、セントチヒロ・チッチ自らがキュレーションするフェスとして始まったもの。第1回が2019年、そして第2回が2020年に行われている。そして今年7月1日、BiSH解散後初となる「THAT is YOUTH!!!!FES vol.3」が約6年ぶりに東京・Veats Shibuyaで開催された。チッチ自身がそのとき「気になる」「呼びたい」アーティストに声をかけて行うフェスゆえ、過去2回と今回と、それぞれにまるでカラーの違う公演となるのは必至。

今回はチッチがCENTとして活動するようになって初の「THAT is YOUTH!!!!FES」だが、「結局、人間大人になっても青春が全てだ」という不変のテーマを掲げつつ、これまでになく、とてもアットホームで、温かな笑いにも満ちた最高のフェスとなった。今回の出演者はAile The Shota、Klang Ruler、そしてなんと、お笑い界からちゃんぴおんず。さらにグッズなどのアートワークを、チッチの友人であるアーティスト・SUMIREが手がけるなど、今回は「友だち」というのも重要なテーマとなっている。

開演時刻、まずステージに登場したのはフェスのキュレーター、セントチヒロ・チッチ。「芸術、エンタメ、音楽、いろんな角度から唯一無二のみんなが力を貸してくれて、この開催に至りました。今日来てくれた人、一人ひとりに、何か光が見つかるような日になったらいいなと思います」。そして「何歳になっても青春って始められると思うんです。若者だけのものじゃなく、大人になっても何度も青春は訪れるから」と、「THAT is YOUTH!!!!FES」のテーマに触れ、「最後まで楽しんでってね!」と告げると、会場中から大きな拍手が沸き起こった。


トップバッターは、今チッチが「とにかくかっこいい」と猛烈に推すバンド、Klang Ruler。

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やすだちひろ(Vo)とyonkey(Vo)のツインボーカルで一気にフロアを引き込んでいく。“アンビリーバブル”が気持ちのいいグルーヴを生み出すと、間髪入れずに“ZENZEN わかってない”へ。この楽曲こそ、チッチがKlang Rulerを見始めるきっかけになった曲だった。やすだは「この曲のデモを(SNSで)出したときに、チッチちゃんが『いいね』してくれて。そこからまさか、イベントに呼んでもらえるようになるなんて」と、その感慨をストレートに表現した。

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さらにブラックビスケッツの1998年のヒット曲“タイミング ~Timing~”のカバーでは、4つ打ちのグルーヴィーなアレンジで、会場中を巻き込んでいく。続く“ちょっとまって”も、懐かしさと新鮮さとが入り混じるディスコビートで客席を揺らす。“レイドバックヒーロー”ではコール&レスポンスもどんどん大きくなり、初見のオーディエンスを見事にひとつにしていった。

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中でも出色だったのが“Teenage Blue”。フェスのテーマである「青春」にも共鳴するような、青さと切なさの滲む歌声にグッときた。そしてブレイクから走り出す8ビートのバンドサウンドはまさに青春そのものだ。会場からのハンドクラップもどんどん大きくなる。チッチがこのバンドに惹かれる理由を誰もが理解したのではないだろうか。演奏を終えると客席からは「最高!」の声も上がった。

●セットリスト
01. アンビリーバブル
02. ZENZEN わかってない
03. タイミング ~Timing~
04. ちょっとまって
05. レイドバックヒーロー
06. Teenage Blue
07. ララバイ


今回の出演ラインナップが発表されたときから、ちゃんぴおんずはどのタイミングで登場するのか、フェスの中でどんな存在となるのか、とても楽しみにしていた。Klang Rulerですっかり温度の上がった会場に出囃子が鳴り響き、日本一おもしろい大崎と大ちゃんがステージイン。「盛り上がってますかー!」の声に、会場からは特大の「イェーイ!」。この異色のブッキングは、大ちゃんとチッチが大の仲良しというところから実現した。そしてお馴染み、「大ちゃん!」の掛け声から始まる、「ユウィゴットゥエンター エンター Let's go!」からの「ンッア ンッンッアッ ンッア ンンッアッ♪」と続く自己紹介代わりのリズム芸。大崎は「知らない人は何が始まったかと思うかもしれないですが」と言いつつも、会場はその「リズム」にどんどん乗せられていく。

その「大ちゃん!」ネタに合わせ、今日の来場者に年代別に声を要求。「20代、せーの!」と大崎が振れば、フレッシュな20代の観客の声が「大ちゃーん!」とステージに届けられる。同様に30代、40代、50代とどの層も多くの声が上がり、「さすがに60代は……」という空気の中、「60代、せーの!」という呼びかけにも、決して少なくない声が上がったのには会場中が大きな拍手。ちゃんぴおんずのふたりも「チッチ、幅広っ!」と驚きの声を上げた。そしてメインである「ちょんってすなよ」のネタでは、そのリズムの中毒性に会場中がさらに巻き込まれていく。締めはこれまた大ちゃんお得意の「打上花火」の声帯模写から「屁かい!」のセルフツッコミ。終始、その話芸のテンポやリズムに笑わされっぱなしだった。


「ちゃんぴおんずのあとに出るのはほんとに嫌だったんですよ(笑)」と、のちにAile The Shotaは笑いを誘っていたが、アットホームに温かくなった空気を壊すでもなく、かといって引きずられるでもなく、1曲目の“開花宣言”から、ごく自然にステージを彼自身の色に塗り替えていったのはさすが。

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バックDJとギタリスト、そしてダンサーたちとで彩る空気感に、会場も自然にその世界に誘われる。コール&レスポンスが爽やかに響くのもとてもフェスらしいムード。Aile The Shotaの歌声の心地よさがそうさせるのだろう。2曲目の“ShyなBaby”ではサングラスを外し、ダンサーとともに自身もしなやかなダンスを披露。シームレスに“Yumeiro”へと続けると、やわらかでメロウな歌声に会場中が体を揺らす。

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「チッチが言ってた。優しいファンだよって。ほんとだね」と笑顔を見せたのもとても印象的。「チッチが紡ぐJ-POPのスタイルに僕も親和性をすごく感じていて」と語っていた通り、この日のAile The Shotaは「ポップ」寄りの歌ものを中心に据えたセットリスト。特に「この夏、すげえポップな曲を作りたいと思って書いた」という“向日葵花火”では、メロディアスな歌が甘く切なく耳に滑り込んで、会場中がその歌に聴き入った。

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ラストはノンストップでとびきりの3曲を。またもやダンサーとともに魅せるラブソング“Eternity”、そしてAile The ShotaのJ-POPといえばこれ、という“踊りませんか?”、そしてラストは“キセキセツ”。ポップスとラップとをしなやかに融合する見事なパフォーマンスで、シンガロングも巻き起こす。素晴らしいステージングだった。

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●セットリスト
01. 開花宣言
02. ShyなBaby
03. Yumeiro
04. 常懐
05. 向日葵花火
06. Eternity
07. 踊りませんか?
08. キセキセツ


そしてトリはもちろんCENT。ここまでそれぞれのアクトが会場に熱気を生んで、まさに最高の状態での登場。「まだまだいける? OK! いこう!」と、1曲目“堂々らぶそんぐ”からシンガロングが巻き起こる。

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“ナポレオーネ通りにて”、そして“ラブシンドローム”とぐいぐいとオーディエンスを引き込んだあと、「今回は6年ぶりの開催。イベント初参加の人も多いと思うけど、どうですか?」と呼びかけると、もちろん盛大な歓声と拍手が応える。そして「どうもこうも、私がやりたくてやって、みんなが来てくれて、そこにすごく意味があって。少しでも何かが芽生えて、この日すごく楽しかったな、このアーティストを好きになったな、この人よかったなって、何かきらめくものを持ち帰って、みんなの明日がまたきらめいてくれたらいいな」と、改めてこの日に込めた想いを言葉にした。“Girlfriend”でのドライブするバンドサウンド、そしてチッチの力強く伸びやかな歌声。シンガロングはさらに大きくなっていく。

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新曲“帰り道”でその歌声を丁寧に届けたあとは、さらにこのフェスへの熱い想いを口にした。「気負って『何かを届けなければ』とか、『伝えなければ』と思っていた若かりし頃があって、今は少し削ぎ落とされて、少し大人の道を歩いている自分になって、『青春ってどんな形かな』って改めて考えたら、別に形はなかった。正解はなくて。きっとみんなもそうだと思うし、確固たる『青春』と言えるものがある人はとても素晴らしくて幸せなこと。でもそれがない人にもこれから出会ってほしいと思っているし、今回CENTとして1本目のフェスを届けるなら、私が大事にしている『友だち』というのをひとつ軸にして、やってみようと思いました」。

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その言葉はそのまま「おともだち」(=CENTのファンネーム)に向けられたもの。「『おともだち』のみんなも私にとって大事な存在で、だから今日は好きな人たちが集まって嬉しい、って感じ」と少しはにかんだ様子で告げると、会場中からはとびきり大きな歓声が上がったのだった。さらに「個人的な話ですけど、6月29日はとても大事な日で、ずっと戦ってきた戦友というか盟友というか、私にとってはずっと『友』と呼びたい人たちと会ってパワーをいただいてきたので、今日は大事な曲を届けて、みなさんにもその気持ちを共有できたらなと思います」と言って披露した“スパーク”(BiSH曲)では、ステージにもフロアにも特別な感慨が満ちていた。

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スペシャルなステージはまだ続く。ここで「私には面白い友だちができました。さあ、来てくれ!」とステージにちゃんぴおんずを呼び込むと、客席からはすかさず「大ちゃん!」の掛け声。もうすでにCENTのオーディエンスもちゃんぴおんずのリズム芸に馴染んでいる。その様子がなんともフェスらしい。そして、ちゃんぴおんずの持ち曲である“大ちゃん”でCENTとちゃんぴおんずの音楽的共演が実現。

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顔の横で両手をぶるぶると振る独特の振りをレクチャーし、ファンキーでグルーヴィーな演奏に合わせて会場中がサビでその踊りをする様子はなんともシュール。チッチもその景色を見て「ちょっと気持ち悪くて面白かった(笑)。いつかまたやりましょうね」ととても楽しそう。こんなふうにチッチがとても自然体で楽しんでいる様子がよかった。

そのあとには「『青春』を掲げた曲を今年作りました。いろんなことが終わっていく中で、始まりもあって、届けたいなという人たちがいて、もちろんあなたがた一人ひとりにも届けたくて。一緒に青く輝いてくれたら嬉しいです」と“スタンド・バイ・ユース”を披露。疾走感溢れるバンドサウンドと強く響くチッチの歌声はまさに「青春」そのものを表現していた。その気持ちがラスト“決心”へと続く。オーディエンスの盛り上がりはまさに最高潮。ギターをかき鳴らして歌うチッチの姿に、シンガロングの声もどこまでも大きく響いていった。

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アンコールでは、またもやちゃんぴおんずを呼び込んで、チッチの「ちょんってすなよ」ネタチャレンジが始まる。

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バンドメンバーが絶妙な間で音を出してボケたり、そこにチッチがツッコミを入れたりする中で、“ラブシンドローム”の替え歌まで飛び出し、まさにライブならでは、フェスならではの笑いが生まれていった。「友だち」だからこそ気を許しつつ、互いの「リズム」にリスペクトがあるからこそ生まれる空気だと思う。ただの対バンイベントに終始しない「THAT is YOUTH!!!!FES」の本懐がここにも見てとれた。

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さらにはAile The Shota、そしてKlang Rulerからやすだちひろを呼び込んで、最後はみんなで“夏祭り”(JITTERIN' JINN曲。Whiteberryのカバーでも知られる)を、会場中も一緒に歌って大団円。

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曲のエンディングにはチッチが今日の出演者の名前を呼び、「友だち、大好き!」と笑顔を見せる。そして「最後、みんなでピョーンって跳んで帰りましょう!」と演奏締めでステージもフロアも全員でジャンプ。ちゃんぴおんず大崎も「完璧!」と顔を綻ばせると、大ちゃんはここでも自身の「打上花火」ネタを投下。「屁かい!」のツッコミも決まり、最初の出番でのネタ披露が、ここでちゃんと伏線回収となったのも、まさにフェスとして「完璧」だった。

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●セットリスト
01. 堂々らぶそんぐ
02. ナポレオーネ通りにて
03. ラブシンドローム
04. Girlfriend
05. 帰り道
06. スパーク
07. ⼤ちゃん / ちゃんぴおんずコラボ
08. スタンド・バイ・ユース
09. 決⼼

Encore
10. コラボネタ「ちょんってすなよ」
11. 夏祭り


4組の出演者が登場する公演ゆえ、かなりの長丁場を覚悟していたけれど、終わってみればその長さを感じさせないほどあっという間の夜だった。出演者それぞれの「音楽」や「リズム」が、「青春」の熱いエモーションや多幸感を生み出し、そこにいる誰もが笑顔になれるフェスだった。過去2回の「THAT is YOUTH!!!!FES」もチッチの音楽的感度の高さを生かしたキュレーションだったが、今回は初めてBiSHとしてではなく、CENTのチッチとして、さらに自由に、自身が存分に楽しめるものをという想いに溢れていたように思う。とにかく終始ハッピーなフェスだった。今後もぜひ、このフェスを続けていってほしいと心から思う。(杉浦美恵)

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●リリース情報

『スタンド・バイ・ユース』

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配信中

●ライブ情報

「銀河のはじっこ」


提供:ビクターエンタテインメント
企画・制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部
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