とても大事な曲に出会った、そんな感覚だ。4人で音を出すのが楽しい、ただそれだけだったというデビュー当時のねごと。活動をしていくうち、なかなか越えられない壁にぶつかり、彼女たちは試行錯誤しながらもがいていた。メンバー全員が大学を卒業する次の春に向かって企画された今回の4ヶ月連続リリースだって、そのがむしゃらな季節の中でここから抜けだして光を掴みたいという想いがあるのだろう。第三弾のT盤となる今作“たしかなうた”は、ゆったりとしたリズムの中で丁寧に情景と心情を綴る。そして《いつかこの世界が終わるなら》から始まるサビで、ねごとというバンドがずっと伝えたかった強い想いを聴かせてもらった気がした。誰かと笑い合ったり、言葉を交わしたり、音を重ね合ったり、そんな風景の中にある、僕らの確かな真実を、今のねごとはしっかり曲に託したのだ。大学卒業目前というリアリティも切実な気付きとなって音に封じ込められているのだろう。焦燥感や躍動感からくるキラキラとした楽曲とはまた異なる種類の熱気が、4人のかけがえのない絆が、聴き手に訴えかける。(上野三樹)