もっとも、現時点で際立っているのは歌声の説得力だと思う。メジャー1stシングルである本作。表題曲の“Trash”は断片的なイメージが重ねられた曲で、歌詞を読むだけでは意味が取りにくいが、彼女がそれらを一気に歌い上げると、まさにTrashが弾け飛ぶような開放感が生まれるのだ。一方、2曲目でカヴァーしている“希望”は、もともと理路整然とした物語を備えた昭和の名曲であるが、彼女はそこに激情的なニュアンスを加えることで新たな魅力を引き出している。歌い手としてのポテンシャルが高いのは明白で、彼女はいわば音楽の神様に祝福されたアーティストなのだろう。
次のカギは言葉ではないか。断片的なフレーズがさらに暴走し、歌声と激しくぶつかる場面も見てみたい。(神谷弘一)