サザンオールスターズ30周年を迎えた今年、無期限活動停止を発表したサザン。その際に一緒にリリースが発表されたニュー・シングルが本作になる。30万セット限定でハッピのついたBOX型初回盤がリリースされるが、この30万という数字がサザンの未曾有のスケールを物語っている。そして、タイトルは「僕は君のシンガーである」。生粋のサザン・ファンじゃなくとも、ここに大きな物語を感じるはずだ。
≪夏がまた来るまでは/互い涙見せずに/いつまでも変わらぬ想い≫。このサビの一節が無期限活動停止について触れたものであることは言うまでもないだろう。歌詞の1行1行が、サザンが何を歌ってきたのか、何処へ向かおうとしてるのか、その答えになっている。楽曲は、きらびやかなホーンに彩られた王道のサザン節。Bメロで桑田の声に軽くかけられたヴォコーダーがディスコティックな雰囲気を醸しだし、08年現在の音楽シーンともリンクしている。完璧である。
サザンの歌は、いつも僕たちと共にあった。人を救うというよりは、時代のなかでサザンの歌はただ傍らにあった。その大きさが胸に染みる。(古川琢也)