08年デビュー前からケラング!界隈で注目を浴び話題となったキッズ・イン・グラス・ハウスの2nd。「トレンドに左右されることはしたくなかった。これまでで最も正直な作品」とアレド(Vo)が語っているが、確かに彼らの純粋さがハートからにじみ出したかのような求心力の強い一枚だ。同郷の兄貴分のロスプロ的エッジが効いたM1で幕明け、アレドのファルセット響き渡る爽快アンセムM3、前作からの流れを汲むポップ・チューンM4で飛び跳ねたかと思うとホーン・セクションが花咲く軽快なM8で幸せな気分に。テキサスでのレコーディングやUSバンドとのツアーの影響かは分からないが、後半にはUSオルタナ顔負け!な大泣きバラードM11があったりと、ストレートに軽快な印象が強い前作に比べサウンドはとにかく多様に。にも拘らずアルバム全体の流れが洗練されているのは、前述の正直さ、つまり彼らの真摯なエモーションを安定・一貫させて作品に脈打たせることが出来るようになった成長の証だろう。来月には今作を携えてパンクスプリングに出演予定。2年ぶりの来日で逞しく成長したバンドを見れるだろう。楽しみ。(上田南)