オマーがプロデュース!

ジュリエット・ルイス『テラ・インコグニータ~スペシャル・エディション~』
2009年09月16日発売
ALBUM
ジュリエット・ルイス テラ・インコグニータ~スペシャル・エディション~
ジュリエット&ザ・リックス改め&ザ・ニュー・ロマンティクス。何が変わったのか。それはこの2年ぶりとなるニュー・アルバムを聴けば明白だろう。前作ではデイヴ・グロールがドラマーとして全曲に参加。4年前のフジでも武勇伝を残したライブ・パフォーマンスさながらに、本能フルスロットルで身を賭す100%ロックンロール・アルバムだった。対する今作はなんと、マーズ・ヴォルタのオマー・ロドリゲスが全面プロデュースで参加。ニューヨークとメキシコで録音されたという。そのサウンドはまさにオマー節。というかマーズ・ヴォルタの「静」の部分が反映されたような静謐で叙情的なエモーションが全編を満たす。ロックンロールに変わりはないがブルージーで滋味溢れるメロディやプロダクション。オマーならではの随所に凝ったサウンド・エフェクト&音響処理。そうした変化に合わせてジュリエットの歌唱も自然と表現の奥行きを増したよう。どこかPJハーヴェイの諸作も思わせる“ドライ”な陰影は今作の基調となるトーンだろう。最近のライブではプリテンダーズやキャット・パワーとステージを共にしているらしい。観たい。(天井潤之介)
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